2021.09.07
年を取るにつれ、飲みこむ力が弱まり、食事中にむせることも多くなります。
そんなときに気を付けたいのが、食べ物や唾液が気管や肺に入り込むことで引き起こされることのある誤嚥性肺炎。ときには死につながる危険性もあります。
そこで今回は、誤嚥性肺炎の予防アイテムに着目。
誤嚥性肺炎にかかるメカニズムと予防法について、在宅医療に取り組む医師、杏クリニック理事長・鬼澤信之先生に話を伺いました。
併せてedimo編集部が厳選したおすすめ商品もご紹介します。
取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
医師
鬼澤信之
医療法人杏会あんずクリニック 理事長。外来診療に加え、“住み慣れた我が家で自分らしく快適な療養生活を”をスローガンによりよい在宅医療を目指すクリニック。多くの選択肢の中から患者ひとりひとりに寄り添う医療を模索しながら安心して療養生活を送ってもらえる医療を提供。
在宅医療部門:埼玉県狭山市入間川1-17-25田島ビル201号室
外来部門:埼玉県狭山市祇園25-1第一はまビル3階
http://anz-homecare.com/
目次
食べ物などを口に入れると、通常は喉を通り、食道へと進みます。
食道の入り口で、空気が通る気管と、食べ物が通る食道とに分かれています。
その際、唾液や飲み物・食べ物が誤って気管に入ってしまうことを「誤嚥」といいます。
気管に食べ物などが入ると、通常はむせて排出する反射機能が働きますが、加齢などが原因で反射が鈍ってしまうと食べ物を排出できず、誤嚥性肺炎の原因になります。
また、誤嚥性肺炎の原因となるのは食べ物だけではありません。
夜寝ている内に唾液などの分泌物を誤嚥して肺炎が起きることも多いです。
また、誤嚥したからといって誰もが肺炎になるわけではありません。
口の中の細菌の数が多かったり、体の抵抗力が下がっていたりなどの条件が重なることで発症しやすくなります。
誤嚥性肺炎の症状の特徴は、発熱、咳、濃い色の痰が出るといったものです。
しかし、高齢者の場合にはこのような典型的な症状がみられないことも多くあります。
2016年の統計によると、肺炎による死亡者は、日本人の死因のうち、がん、心臓病に次いで3番目となっています。
そのうち97%を65歳以上が占め、特に高齢者には誤嚥性肺炎が多いと考えられています。
その4年後、2020年の統計では、誤嚥性肺炎による死亡者は日本人の主な死因の6番目。
全体の3.1%を占め、特に80歳以上の男性に多くみられます。
嚥下機能の低下した高齢者や、脳梗塞の後遺症のある人、寝たきりの人がかかりやすいとされています。
また、口の中にいる細菌が原因であることが多いため、口腔が清潔に保たれていないと、肺炎の原因となる細菌がますます繁殖し、肺炎が起こるリスクが高まります。
前述の通り、誤嚥性肺炎は口の中にいる細菌が原因である場合が多いので、口腔ケアがとても重要。
歯磨きやうがいなどをして、常に口の中を清潔に保つようにしましょう。
食事の時にきちんと座って食べることで予防できることもあります。
また、胃の中のものが逆流する可能性があるため、食後すぐに横にならないようにしましょう。
食事中によく噛んで食べることで、気管に食べ物が詰まるのを防ぐことができます。
食べ物を飲み込むためには筋肉が必要です。
筋肉をつけるためにタンパク質の豊富な食事を心がけましょう。
上記の他に、自宅でできる嚥下のリハビリがあります。
顔や口のマッサージで筋肉をほぐしたり、口の体操で筋肉を鍛えたりします。
また、早口言葉やカラオケで外に吐き出す力を鍛えることができます。
また、肺炎の原因となる細菌で最も多いのが肺炎球菌です。
この菌による肺炎を予防できるワクチンが、肺炎球菌ワクチンです。
日本では、65歳以上の人を対象に、肺炎球菌ワクチンの接種が定期接種の適応となっています。
誤嚥性肺炎も、肺炎球菌が原因となることが多いため、接種をおすすめします。
※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。edimo編集部が独自に行っています。
※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。
※商品によってはユーザーのレコメンドが記載されています。これらは個人の感想であり、効果効能を示すものではありません。
介護予防トレーナ―で、介護予防王子こと久野秀隆氏が監修した健康グッズ。
昭和のおもちゃが、遊び感覚で楽しくトレーニングできる令和の健康グッズに進化しました。
タイプの違う3つの球を使い分けてトレーニングすることで、飲み込む力や肺活量がアップしたり、下腹が鍛えられたりといった効果が見込めます。
1日3分使うだけでOKなので、取り入れやすいのがうれしいですね。
おすすめポイント
・1日3分でOK
・介護予防トレーナー久野秀隆氏監修
【ブランド名】アメイズプラス
【メーカー名/販売元】アメイズプラス
【商品名】長息パイプ
【使用目的】飲み込む力を鍛える
古くから親しまれてきたおもちゃである吹き戻しを基に、呼吸力アップのトレーニングのために開発されました。
レベル0からMAXまで5つのレベルに分かれており、身体状況に応じた最適なレベルに合わせてトレーニングをスタートできます。
公式サイトでは、トレーニング方法や注意点などが動画で見られるので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
おすすめポイント
・使用者の身体状況に合わせてレベル分けされている
・おもちゃ感覚で使える
【ブランド名】 長息生活
【メーカー名/販売元】ルピナス
【商品名】 長息生活 健康・美容トレーニング用吹き戻し
【使用目的】のどを鍛える
歯科医師が開発した、舌と唇の両方を効果的に鍛えられる摂食・嚥下トレーニング器具。
ラビリントレーナーを口にくわえ、ほおをすぼめながら軽く引っ張ることで口輪筋を鍛えられ、舌の上にかぶせるように置いて舌で上あごに付くように持ち上げる動作をすると舌筋のトレーニングになります。
あごの引き締めやほうれい線の解消も期待できるので、ご両親と一緒に楽しくトレーニングするのもおすすめ。
ラビリントレーナーを使った「ラビリン体操」のマニュアル冊子も同梱されています。
おすすめポイント
・歯科医師が開発したトレーニング器具
・舌と唇を効率よく鍛えられる
【ブランド名】コナミスポーツクラブ
【メーカー名/販売元】コナミスポーツ
【商品名】ラビリントレーナー 口腔色
【使用目的】摂食・嚥下トレーニング
舌圧向上のための嚥下力トレーニングボトル。
食後のお茶や日常的に摂取する飲料を入れて飲むだけで、舌圧や周辺筋のトレーニング効果が期待できます。
歯科医師であり、和歌山県で特別養護老人ホームも運営している笠原直樹先生が開発しています。
初回トレーニング用の小容量タイプ(30ml)と、舌圧が高まった人向けの大容量(200ml)の2タイプ。
おすすめポイント
・飲み物を入れて飲むだけでトレーニングができる
・洗えるので衛生的
【ブランド名】リハートテック
【メーカー名/販売元】リハートテック
【商品名】タン練くん
【使用目的】舌圧トレーニング
ポータブル吸引器に接続して使う歯ブラシ。
ブラッシングと同時に口の中の余分な水分などを吸引。
誤嚥を防ぎながら、優しく歯磨きができます。
ブラシの大きさはLサイズとSサイズの2種類があるので、口の大きさに合わせて選べます。
ヘッドが小さいので、狭い口内でも磨きやすいのがポイント。
要介護高齢者の口腔ケアにおすすめです。
おすすめポイント
・ポータブル吸引器に接続するだけで使える
・小さいヘッドで狭い口内でも磨きやすい
【ブランド名】―
【メーカー名/販売元】新鋭工業
【商品名】吸引歯ブラシすっきり
【使用目的】口腔ケア
介護で歯磨きをする際に口の中を隅々まで照らせる口腔ケアの必需品。
LEDライトで、周囲は優しく、先端ははっきりと照らします。
柔軟な素材ですが折れにくく、グリップが握りやすい設計。
先端ロッドのコーナーを口角に当てることで、無理なく口を開けます。
歯ブラシサイズで使いやすいのがポイント。
単4型電池1本(別売り)が必要です。
おすすめポイント
・口内を照らすことで歯磨きを補助
・生活防水で水拭き可能
【ブランド名】ののじ
【メーカー名/販売元】ののじ
【商品名】ハテラス・ライト
【使用目的】口腔ケア
すっきりとしたライム風味の口腔保湿用ミスト。
シュッとスプレーすると、ミスト状のジェルが口腔内の粘膜全体に広がり、口の中が潤います。
外出先でも手軽に使用できるので、口腔乾燥が気になるときにすぐに使えて便利。
適度な粘度があるので、スプレー時にたれにくいのも魅力です。
おすすめポイント
・ミスト状のジェルが口腔内の粘膜全体に広がる
・外出先でも使いやすいスプレータイプ
【ブランド名】リフレケア®
【メーカー名/販売元】イーエヌ大塚製薬
【商品名】リフレケア®ミスト
【使用目的】口腔ケア
商品名 | 長息パイプ | 長息生活 健康・美容トレーニング用吹き戻し | ラビリントレーナー 口腔色 | タン練くん | 吸引歯ブラシすっきり | ハテラス・ライト | リフレケア®ミスト |
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ブランド名 | アメイズプラス | 長息生活 | コナミスポーツクラブ | リハートテック | ― | ののじ | リフレケア® |
メーカー名/販売元 | アメイズプラス | ルピナス | コナミスポーツクラブ | リハートテック | 新鋭工業 | ののじ | イーエヌ大塚製薬 |
使用目的 | のどを鍛える | のどを鍛える | 摂食・嚥下トレーニング | 舌圧トレーニング | 口腔ケア | 口腔ケア | 口腔ケア |
商品詳細 | |||||||
加齢とともに嚥下機能が低下したり、唾液の分泌量が減って口腔内が乾燥しやすくなったりします。
今回紹介したアイテムを使うことで、嚥下機能を鍛えて誤嚥性肺炎の予防が期待できます。
1日数分でできるので、生活に取り入れてみてもいいですね。
<掲載商品はedimo編集部が実際に連絡を行い、コンタクトが取れたメーカーのものだけに限定しています。※一部国内プレスリリースでの確認>