2023.03.08
2023年4月から道路交通法の改正により、自転車に乗る際のヘルメット着用義務化が施行されることになりました。
しかし、これまでヘルメットを着用していない人は、どういったものを選ぶと良いか分かりませんよね。
そこで、今回は「自転車の安全利用促進委員会」の遠藤まさ子さんへの取材をもとに、自転車用ヘルメットの選び方やヘルメットを着用する重要性などについて解説します。
あわせて、edimo編集部が選んだ大人用の自転車ヘルメットもご紹介します。
取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
自転車の安全利用促進委員会
遠藤 まさ子
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い、各誌に寄稿している。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアでコメンテーターとして登場する機会も多い。安全安心な自転車利用に関する様々な情報発信を行い、自転車が関連する社会問題を減少させることを目的として活動する「自転車の安全利用促進委員会」に所属している。
自転車の安全利用促進委員会
http://jitensha-anzen.com/
目次
2021年の「警察庁事故分析データ」によると、自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方のうち、6割近くが頭部の怪我を負っています。
また、ノーヘルメット時の致死率は着用時と比べて約1.6倍の高さになると算出されています。
これらのデータを踏まえると、全年齢を通じてヘルメットを着用して頭を守ることは、「命を守る行為」だといえるのです。
ヘルメットは正しく着用することが重要です。
着用の際は、以下のポイントをチェックしましょう。
・あごひもをしっかり締める(あごとひもの隙間は指1本程度)
・斜めに被らない(ヘルメットの縁が眉上に来るよう深く被る)
・アジャスターや内部のパッドがある場合、調整して緩みがないようにする
・過去に大きな転倒・落下をするなどによって損傷したヘルメットは、緩衝機能が落ちてしまうため、必ず買い換える
・使用頻度が高かったり、屋外で保管していたりする場合は、紫外線劣化によってもろくなる可能性があるため、おおむね3年程度を目安に買い換える
道路交通法第63条11第1項~3項に、自転車を運転する際のヘルメット着用の努力義務化が明示され、2023年4月からの施行が決定しました。
自転車の持ち主以外が運転する場合でもヘルメットを着用するよう努めなくてはなりません。
さらに、児童または幼児を乗せて運転する場合、運転者のみならず、児童や幼児にもヘルメットをかぶらせる必要があります。
運転者だけが着用していれば良い、というわけではないので注意しましょう。
「努力義務」とは、 従わなくても刑事罰や過料等の法的制裁を受けない義務のこと。
罰則などはありませんが、遵守しなかった場合のリスクとして「違反によって事故などが起きた場合、請求額増加の可能性がある」ことが考えられます。
そのため、ヘルメットを着用することは、命を守ると同時に、さまざまなリスクから自分自身を守ることにつながると考えられます。
では、ヘルメットを選ぶ際には、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
主なポイントを紹介します。
自分の頭に合う大きさや形のものを選びましょう。
欧米ブランドの場合、頭部の形状が欧米人向けに作られていて、頭の形に合わないことがあるので注意しましょう。
「ジャパンフィット」などと記してあるものは、日本人の頭に合うよう作られています。
軽い方がかぶりやすく負担が少ないです。
通勤距離が長いなど、長時間着用することが見込まれる場合は、なるべく軽いものを検討しましょう。
ヘルメットには安心や安全を保証するマークがあるものを選びましょう。
日本メーカーであれば「SGマーク」がある商品が安心。
海外製の場合、EU加盟国の基準を満たす商品に付けられる「CEマーク」があるものや、米国消費者製品安全法に基づいて設立されたアメリカの独立政府機関が定める安全基準の「CPSC」が取得されているものを選ぶのがおすすめです。
また、世界最大規模の標準化団体が策定・発行する任意規格である「ASTM」や、国際的な第三者試験認証機関(テュフ ラインランド)が安全性と品質を証明する「TUV認証」などの明記があるものも、一定以上の品質を担保している目印になるでしょう。
スポーツ用は通気性が良い、いわゆるベンチレーションが多いデザインがあります。
蒸れが気になる方は、あえてスポーティなものを選んでもよいでしょう。
デイリーユースのものでも、通気口を設けているデザインが多いので、自転車に乗る時間の長短を踏まえて検討してください。
最近だと、普通の帽子に見えるものや、あえて目立つ色のもの、ポニーテールが潰れないようなデザインのものなどバリエーションが豊富。
若い人に人気なのは、前部がつば状になっていて丸みを帯びたフォルムやキャップ風のものです。
長年のオフロード経験に基づくBELLの新たなフラッグシップモデル。
「DEEP ROAD」をコンセプトに、アスファルトだけでなく、グラベルやトレイルでの走行時に使用することも可能。
優れたベンチレーション、エアロダイナミクス、軽量さと頭部保護範囲を誇ります。
MIPSスフェリカルやフィドロックバックルをはじめとした最新の安全性能を搭載。
安全規格のCE EN1078を取得済みです。
おすすめポイント
・普段使いからトレイルまでマルチにカバー
・最新の安全性能を搭載
ユーザーのレコメンド※メーカー収集コメント
40代・男性
スフェリカルMIPS機能により、可動範囲が広くかぶった際にも安心感がある。また被った際頭部分が大きくなり過ぎずスタイリッシュなところも良い。
【商品名】XRスフェリカル
【ブランド名】BELL
【メーカー名】BELL/販売:インターテック(正規輸入代理店)
【サイズ】S:52ー56cm/M:55-59cm/L:58ー62cm
【重さ】285g
【主な機能】ベンチレーション、MIPS
【規格】CE EN1078
通勤など街中での自転車移動に最適なアーバンヘルメット。
同梱されているスタイリッシュなキャンバスバイザーを装着可能。
通気性を確保できる上、フロントパッドの機能も兼ね備えています。
後部と左右に大型リフレクターがあるので、夜間走行中でも車のライトに反射して、ドライバーへ存在をアピール。
公益財団法人 日本自転車競技連盟(JCF)推奨規格を取得しています。
おすすめポイント
・スタイリッシュなキャンバスバイザーを装着できる
・大型リフレクター付きで夜間走行中も安心
【商品名】キャンバス・アーバン
【ブランド名】Kabuto
【メーカー名】オージーケーカブト
【サイズ】M/L(57-59cm)
【重さ】290g
【主な機能】大型リフレクター、ダイヤル式アジャスター
【規格】公益財団法人 日本自転車競技連盟(JCF)推奨
約225gのヘルメットと、サングラスのセット。
ヘルメットには光や水滴、泥、石などから目元を守るバイザーが付いており、不要な場合は取り外しも可能。
アジャスターダイヤル付きなので、サイズ調節が簡単です。
カラーは10種類から選択できます。
CE認証を取得済みです。
おすすめポイント
・目元を守るバイザー付き、取り外しも可能
・カラーは豊富な10種類
【商品名】自転車ヘルメット サングラスセット
【ブランド名】Auty IZUMIYA
【メーカー名】ファンテーヌ
【サイズ】フリーサイズM/L(54-62cm)
【重さ】約225g(フロントバイザー装着時)
【主な機能】_
【規格】CE認証
キャップのようなスマートなデザインのヘルメット。
アウターシェルには、耐久性抜群のフルラップーインモールド構造のポリカーボネートシェルを採用。
後頭部まで深くしっかりと保護します。
ヘルメット内側に搭載したウィンドトンネルベンチレーション機能によって、風をスムーズに通し頭部を常に快適に保ちます。
世界標準規格の「グローバルフィット」を採用しているため、頭囲が各サイズの境目にある場合は大きい方のサイズがおすすめ。
CE 安全規格を取得しています。
おすすめポイント
・キャップのようなスマートなデザイン
・頭部を常に快適に保つウィンドトンネルベンチレーション機能
【商品名】CADEN MIPS II
【ブランド名】GIRO
【メーカー名】ダイアテック
【サイズ】M(55ー59cm)/L(59ー63cm)
【重さ】340g(Mサイズ 参考値)
【主な機能】ウィンドトンネルベンチレーション
【規格】CE 安全規格取得
スポーティ過ぎず、カジュアルでシンプルなアウターデザインが特徴のシティヘルメット。
バイザーはベルクロにより取り外し可能です。
グレー、ブラック、イエローの3色が展開されており、安全規格として CE EN1078を取得しています。
おすすめポイント
・スポーティ過ぎずカジュアルなデザイン
・通気性が良く暑い日も安心
ユーザーのレコメンド※メーカー収集コメント
30代・男性
カジュアルデザインで日常使用しやすい。またバイザーの取り外しも出来るので気分によって変えられるところも良い。
【商品名】デイリー
【ブランド名】BELL
【メーカー名】BELL/販売:インターテック(正規輸入代理店)
【サイズ】UA(54-61cm)/M、L(53-60cm)
【重さ】290g
【主な機能】ベンチレーション
【規格】安全規格 CE EN1078
帽子のデザイン性とヘルメットの安全性がひとつになっています。
帽子部分だけを付け替えられるので、季節や気分に合わせて着せ替えが楽しめます。
ヘルメットとは思えないデザインなので、かぶったまま街を歩いても違和感を感じにくいです。
同ブランドでキャップやストローハットなど、さまざまなデザインのものもあります。
おすすめポイント
・帽子のデザイン性とヘルメットの安全性がひとつに
・帽子だけを好みで替えられる
ユーザーのレコメンド※メーカー収集コメント
70代・女性
「カポル」を購入してから2度、自転車乗車中に転倒してしまいました。勢いよく転倒したもののけがはなく、ヘルメットカバーを外すとヘルメット本体はへこんでいました。「カポル」を着用していたおかげで頭を守ることができました。
70代・男性
前日に降った雪で転倒しました。後頭部を地面に強打しましたが、ヘルメットを着用していたため、頭は全くけがをしませんでしたが、尾骶骨は剥離骨折でした。この経験から、自転車に乗るときは必ず被っています。
【商品名】カメリア(クロッカス)
【ブランド名】カポル
【メーカー名】日本パレード
【サイズ】S:52ー55cm/M:56ー59cm/L:60ー62cm
【重さ】_
【主な機能】反射材
【規格】EC EN1078
アウトドアテイストをプラスしたSG基準認証済みのヘルメット。
専用の帽子(ヘルメットカバー)をかぶせることで、まるでハットのような見た目に。
ツバが広めなので日差し対策になります。
ツバの縁にワイヤーが仕込んであり、好みに応じて形を調整可能。
車などのライトに反射して光るリフレクター素材を装備しているので、夜間の外出でも安心です。
おすすめポイント
・広めのツバで日差し対策に
・リフレクター素材で車のライトに反射し光るので夜間も安心
【商品名】シクレ
【ブランド名】Kabuto
【メーカー名】オージーケーカブト
【サイズ】54ー57cm
【重さ】350g
【主な機能】リフレクター素材
【規格】SG基準
商品名 | XRスフェリカル | キャンバス・アーバン | 自転車ヘルメット サングラスセット | CADEN MIPS II | デイリー | カメリア(クロッカス) | シクレ |
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ブランド名 | BELL | Kabuto | Auty IZUMIYA | GIRO | BELL | カポル | Kabuto |
メーカー名 | BELL/販売:インターテック(正規輸入代理店) | オージーケーカブト | ファンテーヌ | ダイアテック | BELL/販売:インターテック(正規輸入代理店) | 日本パレード | オージーケーカブト |
サイズ | S:52ー56cm/M:55-59cm/L:58ー62cm | M/L(57-59cm) | フリーサイズM/L(54-62cm) | M(55ー59cm)/L(59ー63cm) | UA(54-61cm)/M、L(53-60cm) | S:52ー55cm/M:56ー59cm/L:60ー62cm | 54ー57cm |
重さ | M:285g | 290g | 約225g(フロントバイザー装着時) | 340g(Mサイズ 参考値) | 290g | _ | 350g |
主な機能 | ベンチレーション、MIPS | リフレクター、ダイヤル式アジャスター | _ | ウィンドトンネルベンチレーション | ベンチレーション | 反射材 | リフレクター素材 |
規格 | CE EN1078 | 公益財団法人 日本自転車競技連盟(JCF)推奨 | CE認証 | CE 安全規格取得 | 安全規格 CE EN1078 | EC EN1078 | SG基準 |
商品詳細 | |||||||
ヘルメットと一言で言っても、今ではデザイン性の高い商品が多く販売されています。
今回紹介した選び方のポイントを踏まえ、自分好みの商品を見つけて、安全な自転車利用を心掛けてくださいね。
<掲載商品はedimo編集部が実際に連絡を行い、コンタクトが取れたメーカーのものだけに限定しています。※一部国内プレスリリースでの確認>