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猫は泌尿器系の病気にかかりやすいといわれていますが、どういう症状があれば動物病院を受診すべきなのか判断が難しいですよね。
そんな時におすすめなのが、猫のおしっこチェックキットです。
今回は、猫の病気の兆候を発見するポイントやスムーズな採尿のコツなどについて、はる動物病院院長・渡邉武史先生に伺いました。
あわせて、edimo編集部おすすめメーカーのおしっこチェックキットもご紹介します。
取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
獣医師
渡邉 武史
はる動物病院 院長。獣医師、ヨーロッパ小動物歯科口腔外科認定医。
新潟県新潟市にて2018年12月開院。一般診療及び歯科歯周病外来を併設。LigaSureや拡大鏡を用いた一般手術はもちろん、動物用歯科ユニット及びデンタルセンサーを用いた歯科歯周病外来は専門的な診療であり県内外より広く患者を受け入れている。
はる動物病院
http://haru-animalhospital.com/
新潟県新潟市東区中野山7丁目4番2号
目次
猫が泌尿器系の病気にかかりやすいというのは本当です。
猫は犬に比べて、腎臓病、膀胱(ぼうこう)炎、尿結石症などの泌尿器疾患にかかりやすいと考えられています。
理由として挙げられるのは、家猫の祖先であるリビアヤマネコの性質を受け継いでいる点。
砂漠地帯で暮らしていたリビアヤマネコは、水分を体内で無駄なく使用でき、尿の濃縮能力が高かったようです。
一方で、こうしたことが原因で腎臓に負担がかかりやすかったとされています。
臨床現場でも泌尿器疾患の割合は高く、多くの動物病院では毎日のように泌尿器疾患の診療にあたっているといえるほど。
猫の死因の約3割は泌尿器疾患という研究結果もあります。
病気の兆候を早期発見するためには、行動面、体調面、排尿時の様子をそれぞれチェックしておきましょう。
まず、行動面では、不適切な排尿(屋内でトイレの横、衣類、布団などに排尿する)、外陰部周囲を舐める、多飲などの症状が認められます。
次に、体調面では、落ち着きがない、触られるのを嫌がるなどの症状が認められます。
さらに、排尿時に有痛性排尿、頻尿、血尿などの症状が認められます。
愛猫にこうした様子が見受けられたら、早めにかかりつけを受診しましょう。
行動や体調の確認に加えて、猫のおしっこをこまめにチェックすることもおすすめします。
その際のチェックポイントは以下の通りです。
回数が増えて頻尿になっていないか、逆に回数が顕著に減ったり、排尿姿勢をとるが出ない、ことはないかなどを確認しましょう。
腎臓病が進行すると透明な尿になったり、膀胱炎や尿結石症ではオレンジ色〜赤色の尿になったりします。
膀胱炎が悪化した場合、発酵したようなにおい、ツンとするようなにおいを感じることがあります。
但し、正常でも未去勢の雄猫は尿臭が強くなります。
尿比重とは、尿中の老廃物の量を尿の濃さを利用して判断するものです。
本来、腎臓は血液中の老廃物をおしっことして体の外に排出する役目があります。
腎臓の機能が弱くなってしまうと、この老廃物を十分に外に出すことができなくなります。
すると、尿中の老廃物が少なくなるため、尿が薄くなり、尿比重は低下します。
比重が低いということは、薄い尿が出ているということです。
猫がどの程度水を飲んでいるのか、飲んでいる水が足りているかを判断する材料の一つとなります。
腎機能が50%以上低下すると、尿比重の低下が認められます。
尿比重が低い場合、尿の濃縮能の低下や多飲傾向が見られる慢性腎臓病、糖尿病、クッシング症候群などにかかっている恐れがあります。
血液検査の異常は腎機能が75%以上低下がしないと現れないため、血液検査よりも尿比重の検査の方が早期診断に有効です。
反対に、尿比重が高くなるのは、血尿、結石、糖尿病などの不純物があるときや、脱水状態を起こしているときです。
【監修者】獣医師渡邉 武史のコメント
最近では自宅で気軽にできるおしっこチェックキットが販売されています。
尿を採取してチェックするタイプと猫砂の色の変化でチェックするタイプの2種類があります。
選ぶ際には、まず自宅の猫トイレで使えるかどうか確認しましょう。
特に尿を採取するタイプは、2層構造のシステムトイレであれば容易に使用できますが、固まる猫砂を使用するノーマルトイレでは難しい場合があります。
※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。
※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。
※商品によってはユーザーのレコメンドが記載されています。メーカーから提供を受けたものには「メーカー収集コメント」、編集部が収集したものには「編集部収集コメント」と記載されています。これらは個人の感想であり、効果効能を示すものではありません。
商品名 | 画像 | 詳細を見る | 容量 |
nyanpling.petsnyanpling®︎|スポイト付きおしっこチェックセット(2回分) | 2回分 | ||
花王花王|ニャンとも清潔トイレ おしっこチェックキット | 1回分 | ||
ユニ・チャームユニ・チャーム ペット|デオトイレ おうちでおしっこチェックキット | 1回分 | ||
PETJOAPETJOA| Kitty-Medi-Check 猫尿健康テストキット | |||
ユアーショップユアーショップ|オシッコでpHチェック 紙猫砂 5L | 5L | ||
輸入代理店:ファンタジーワールドヘルスインディケーター 200g | 200g |
実際に愛猫の採尿に苦労した飼い主の経験を基に開発された採尿キット。
2回分の採尿とおしっこチェックができるセットに、名前シール付きスポイト容器がセットになっています。
シールに名前を書いたら、そのまま動物病院へ提出できるのがうれしいですね。
猫だけでなく、小型犬の採尿にも使えます。
直接採尿するので不純物が混入する可能性が少なく、クリアなおしっこを採取できます。
ユーザーのレコメンド※メーカー収集コメント
40代・女性
愛犬のアニマルドックで使用しました。容器をカットしてサイズ調整。お散歩中でも自宅のトイレでもスムーズに採尿できました。いざという時も安心なので常備しています
40代・女性
おしっこのタイミングさえ逃さなければ最高に簡単に採取できます!!毎回おしっこを待って、採取にも失敗もたくさんあったのでとても楽になりました。
容量 | 2回分 |
おしっこ比重チェッカー、おしっこトレー、汚れ防止用の脱臭・抗菌シートがセットになったキット。
おしっこ比重チェッカーはビーズ入りで、おしっこの濃度によって浮き沈みするので自宅で簡単にチェックできます。
おしっこトレーはカラーチャートと比較できるので一目でわかるので使いやすいのがうれしいですね。
公式サイトから使い方を動画で見ることもできます。
おしっこチェック紙、採尿トレー、汚れ防止用デオシート、採尿スポイトがセットになったチェックキット。
使い方は、新しい猫砂に替えたシステムトイレに付属シートをセットし、上に採尿トレー2枚を並べて戻すだけ。
採尿トレーにたまったおしっこにチェック紙の先をつけて色見本と比べると、一目でチェックできます。
スポイトで採尿すればそのまま病院に提出できるので便利ですね。
猫砂に振りかけて使うタイプのおしっこチェックキット。
使い方は、新しい猫砂に替えてから振りかけるだけ。
猫が排尿して10分経過後の色の変化で、異常の有無を確認できます。
キットは青、緑、ピンクの3種類。
青は血尿の有無を、緑はタンパク尿の有無を、ピンクはアルカリ尿症の有無を確認できます。
3種類がミックスされた商品も販売中です。
簡単におしっこのチェックができる猫砂。
紙製なので軽くて処理も簡単です。
おしっこがアルカリ性になると青色に変わる㏗チェック粒入り。
おしっこチェックができるだけでなく、消臭・抗菌作用も期待できます。
使った後は人間用のトイレに流すことができるので処分が簡単なのがポイントです。
燃えるゴミとしても処理できます。
容量 | 5L |
猫砂に振りかけるタイプのおしっこチェックキット。
使い方は、トイレを掃除した後に砂の上に敷きつめるだけ。
猫がおしっこした直後にパッケージ横に記載されているカラーチャートで色を比較し、異常の有無を簡単にチェック可能。
使用後はそのまま普段使っている猫砂に混ぜ、約1ヵ月脱臭剤として使えます。
採尿の際には、以下のコツと注意点をおさえておきましょう。
できるだけ異物が混ざらないようシステムトイレを用いましょう。
システムトイレの下に敷くシーツの上にサランラップを置く、もしくはシーツ自体を裏側にして敷くと、排尿後も尿が吸収されずに残るので、その尿をスポイトで採取することもできます。
また、ウロキャッチャーというスポンジ状の採尿器もあります。
これは、猫の排尿時に猫の下に差し込み、砂に落ちる前の尿を直接吸収させるものです。
どのくらい尿を採取すれば良いのか確認してから始めましょう。
一般的に最低2mL程度の尿を採取するのが望ましいとされています。
採尿後、動物病院に持って行く場合は、室温では3時間以内、冷蔵では6時間以内を目安に考えましょう。
それ以上の時間を超えると、菌の増殖、酸化による尿pHの異常が起こります。
多頭飼いをしている場合、複数の猫のおしっこが混ざらないように注意が必要です。
採尿する猫とトイレを別室に設置するといった手段を取ることをおすすめします。
猫がかかりやすい泌尿器系の病気とその特徴について説明します。
腎臓に慢性的な病変が存在し、機能が徐々に低下する病態。
3ヵ月〜数年にわたって悪化し、最終的に血液中に毒素が回る尿毒症へ移行する不可逆性の疾患です。
徐々に進行し、腎機能の75%が障害されるまで目立った症状はなく、気づいた頃にはかなり進行しているのが特徴です。
初期の主な症状は、水をよく飲み、おしっこの量が増えること。
腎機能の低下が進行すると、貧血や尿毒症、全身性の臨床症状が起こります。
さらに、体重が減り、毛ヅヤも悪くなってきます。
一度発症すれば治ることはないので、臨床症状が出る前に治療を開始して腎臓の機能低下を抑えることが重要です。
…定期的な皮下点滴、内服、ステージに合わせた専用の食餌療法食を与える
結晶化した尿成分の一部が集合し、腎臓や尿管、膀胱、尿道などの中に石のような構造物を形成し、膀胱や尿道を傷付けたり、尿道に詰まったりする病態。
尿がアルカリ性に傾くと形成されるリン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)と、酸性に傾くと形成されるシュウ酸カルシウムが代表的な原因です。
症状として、頻尿(トイレの回数が増える)、排尿時痛、血尿などが挙げられます。
…結石が尿道に詰まっていればカテーテルを入れる、もしくは、内服や専用の食餌療法食を与える
何らかの原因で膀胱炎を起こしているが、尿石症や尿路感染症など特定の疾患が存在しない下部尿路疾患のこと。
肥満、飼育環境の変化、ストレス、多頭飼育などが原因になる場合があります。
症状として頻尿、血尿、排尿困難などが挙げられます。
…生活環境の見直し、内服、専用の食餌療法食を与えるなど
自宅でのおしっこチェックで病気の兆候に気付いたら、すぐに病院を受診することが望ましいです。
もちろん、採尿時の手技的な問題や尿の変性などによる判定ミスの可能性はあります。
しかし、実際に病気が存在していた場合、例えば尿結石症なら結石が尿道に詰まってしまい命にかかわる、緊急事態に陥る可能性もあります。
持参できるのであれば、説明のためにチェックキットの結果を持っていきましょう。
猫の泌尿器系の病気は、症状が分かりにくい一方で重篤な事態になるケースも多いため、早期発見が鍵。
この記事で紹介したおしっこチェックキットを普段の愛猫の体調管理に活かしてみてはいかがでしょうか。
泌尿器疾患の早期発見のためには定期的な検査を行い、通常時の状態を把握しておくことがとても大切です。
動物にもそれぞれ個体差があり、血液検査の数値や尿比重の普段の値は各々で異なります。
しかし、通常時の値を把握していれば、尿比重が低く出た場合に「低く出たけど、いつも通り」なのか「低く出たけど、いつもより低い」のか、猫の異常に早く気づいてあげることができます。