2024.03.29
/edimoはアフィリエイト広告を利用しています。
犬は大切な家族の一員です。
その健康には最大限、気を遣いたいものですが、人間と違って言葉で体調不良や不快さを訴えることができません。
そのため、飼い主が普段から犬を清潔にし、その様子をよく観察していないと、病気になっても気づかない可能性があります。
とりわけ迷いがちなのが耳。
犬の敏感な耳に触れるのはためらわれるものです。
しかも犬の耳は何もしなくても耳垢が内部から出てくるため、掃除は必要ないともいわれています。
では、耳掃除はしなくてもよいのでしょうか?
掃除がほぼ必要のないケースもありますが、定期的に耳掃除をした方がよいタイプの犬もいます。
そこでここでは、動物の病気と治療に精通した渡邉武史獣医師への取材・監修のもとに、耳掃除をした方がよい犬の種類や耳掃除のタイミング、耳垢の状態が示す病気の徴候、犬の耳掃除グッズの特徴や使い方などを解説します。
あわせてedimo編集部がおすすめする犬の耳掃除グッズを紹介します。
取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
獣医師
渡邉 武史
はる動物病院 院長。獣医師、ヨーロッパ小動物歯科口腔外科認定医。
新潟県新潟市にて2018年12月開院。一般診療及び歯科歯周病外来を併設。LigaSureや拡大鏡を用いた一般手術はもちろん、動物用歯科ユニット及びデンタルセンサーを用いた歯科歯周病外来は専門的な診療であり県内外より広く患者を受け入れている。
はる動物病院
http://haru-animalhospital.com/
新潟県新潟市東区中野山7丁目4番2号
目次
健康な犬の耳には自浄作用があるので、積極的な耳掃除は必要ありません。
チワワやポメラニアン等の立ち耳の犬種は汚れが目立つときだけで十分です。
外耳に耳垢があるのもごく正常なこと。
耳掃除が必要なのは、基本的に耳にトラブルが発生したときです。
① アトピー性皮膚炎や食物アレルギーで耳に炎症を起こした
② 過剰に皮脂が分泌される体質で外耳が汚れやすい
③ 耳道内の耳垢腺が増えて腫れてきた
④ 耳道が腫れたり腫瘍などができたりして狭くなったために耳垢が自然に排出されない
⑤ 外耳の入口に寄生虫や異物が付着している
犬種によっては定期的に耳の状態を調べて掃除する必要があります。
次のような犬は週に1回ほど耳を調べ、必要に応じて掃除する必要があります。
垂れ耳の犬や外耳道に毛が生えている犬種は、耳の通気性が悪いため過度に湿りがちで、放置すると病気になるリスクがあります。
具体的には、シーズー、パグ、ダックスフント、レトリーバー、キャバリアキングチャールズスパニエル、ビーグル、トイプードルなどです。
どの犬種も外耳炎などの耳のトラブルを起こしますが、体質的に耳の病気を発症しやすい犬種もいます。
例えば柴犬、トイプードル、ゴールデンレトリーバー、フレンチブルドッグ、シーズー、アメリカンコッカースパニエルなどが挙げられます。
ほかに、皮膚のバリア機能が弱い、子犬の頃に耳の感染症を起こした、といったケースなども注意が必要です。
・ 耳掃除用の液体で、一般に洗浄成分のほか、皮膚を保護する成分などを含む
・ メーカーによっては洗浄液とローションをとくに分けていないこともある
・ 基本的には耳介部の汚れを落とすときに使用する
・ 洗浄液タイプを嫌がる犬におすすめ
・ コットンやティッシュ、綿棒にローションを少量付け、耳介の汚れをそっと拭き取る
・ 成分が合わない、耳の汚れがひどいなどの場合には、ローションを使用すると悪化する恐れがある
・ 耳掃除用の液体で、洗浄成分や耳垢を柔らかくする成分などが含まれている
・ ちょっとした汚れや垂れ耳の犬種の定期的な耳掃除などでは、湿らせたコットンなどで耳道の汚れを優しく拭き取る
・ 耳の奥まで汚れが溜まっている場合には、耳の内部に液体を直接注入し、柔らか角なった耳垢を浮かせるようにして排出する
・ 耳の汚れを拭き取る不織布やコットンのウェットシート
・ 耳介や外耳の入口付近が多少汚れているとき、気軽に手早く耳掃除するときなどに適している
・ 耳の奥の汚れを取ることはできない
・ ベビーパウダー(タルカムパウダー)と同じ成分が含まれた粉末タイプの製品
・ 耳道内部の分泌物を吸着し、耳道を乾燥させることができる
・ 耳道の汚れた場所にパウダーを振りかけ、汚れを絡めとる。耳の乾燥状態を保つために耳介部に吹きかけて使用することもある
・ 皮脂で体がべとつきがちな犬種には、抗脂漏成分を含む製品がおすすめ
・ アレルギーやアトピー性皮膚炎を起こしやすい犬種には、刺激が少なく保湿成分が豊富かつ抗炎症成分が含まれた製品が適している
・ 洗浄液やローションに含まれる香料は、飼い主が好ましく感じても、犬には多大なストレスを与えることがあるため、できれば無香料の製品を選ぶ
※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。
※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。
商品名 | 画像 | 詳細を見る | タイプ | 内容量 |
佐藤製薬サトウ製薬|サトウイヤーローション | ローション | 140mL | ||
トーラストーラス|耳クサ・イヤー はじめての方用 | ローション | 30ml | ||
スーパーキャットスーパーキャット|らくらく耳そうじローション 45ml CS-21 | ローション | 60g | ||
キリカン洋行inu care time|ノルバサンオチック | クリーナー | 118mL、473mL | ||
トーラストーラス|耳クサ・イヤーシート | シート | 30枚 | ||
スーパーキャットスーパーキャット|らくらく耳そうじシートプレミアム 30枚 CS-02 | シート | 122g | ||
内外製薬内外製薬|イヤーパウダー | パウダー | 50g | ||
現代製薬現代製薬|耳そうじパウダー | パウダー | 30g |
耳が垂れている犬や毛量の多い犬の耳内部のお手入れにおすすめのローション。
皮膚や被毛を傷める成分は含まれていません。
編集者が使ってみました!
ポメラニアンとチワワのミックス犬を飼っている編集者が、実際に愛犬に使ってみました。
ローションを含ませたティッシュを使って、耳の中の垢を拭き取るように掃除をします。
ローションは無色透明で、うがい液に近い匂いがします。
サラサラとした液体なので、ティッシュに付けるときは、こぼれないように気を付ける必要がありました。
実際に愛犬に使ってみました。
最初は慣れない耳掃除を嫌がっていましたが、優しくマッサージするように耳垢を拭き取ってあげると、次第にリラックスしていました。
耳掃除をした後はペット臭がかなり軽減された印象です。
生きている善玉菌が耳内の雑菌の繁殖を抑え、耳を清潔に保ちます。
耳の中に垂らすだけでも、耳の環境を維持。
保存料、界面活性剤、アルコール、香料が不使用で、子犬・子猫にも安心して使えます。
編集者が使ってみました!
ローションは無臭のため、嗅覚の敏感な犬にも使いやすいと思います。
サラサラとした質感のローションですが、ボトルから少量ずつしか出てこないので、一度に出しすぎてしまう心配もありません。
実際に愛犬に使ってみました。
最初は慣れない耳掃除を嫌がっていましたが、次第に落ち着き始めたため、うまく耳垢を取り除くことができました。
とろりとしたテクスチャーで液だれしにくいローション。
保湿効果が期待できるヒアルロン酸、消臭効果のある柿タンニンが配合されています。
犬・猫の耳に優しい低刺激タイプ。
耳道内を清潔に保つことを重視した、ロングセラーのイヤークリーナー。
洗浄成分の他、耳垢を軟化させる成分や耳道内が湿り過ぎるのを防ぐ成分が配合されています。
弱酸性〜中性タイプ。
軽く耳の周りを拭くだけでOKのイヤーシート。
クレンジング成分が配合されているので、しっかり汚れを取ることができます。
ノンアルコール、ノンパラベンの低刺激処方の耳掃除シート。
消臭・抗菌作用が期待できる天然由来成分・グレープフルーツ種子抽出エキスが配合されています。
爽やかなシトラスの香り付き。
ジメジメした耳のお手入れにおすすめ。
爽やかな香りでシャンプー後のケアにピッタリです。
耳内を乾燥させて分泌物を取り除く、パウダータイプのイヤークリーナー。
タルク、炭酸マグネシウム、木酢、シクロデキストリン、軽質無水ケイ酸、銅クロロフィリンNaが配合されており、耳のにおいを軽減します。
綿棒20本付き。
耳掃除で大切なのは、犬が嫌がらないように優しく行うことです。
耳の皮膚はデリケートで傷つきやすいものです。
皮膚が本来もつバリア機能を損なわないためにも、ゴシゴシ擦るのはやめましょう。
また、飼い主の緊張は犬に伝わりやすいもの。
飼い主自身がリラックスすれば、犬も警戒せず、スムーズに耳掃除ができます。
耳掃除は楽しいと犬が感じるように、終わった後にご褒美を与えるのもお勧めです。
耳介や耳道の入口付近を掃除する方法です。
定期的な掃除が必要な犬では、1週間に1回程度行います。
汚れにくい、あるいは病気になりにくい犬種では汚れが目立つときだけで十分です。
まず話しかけながら犬を抱いたりなでたりし、耳にも触れて犬の様子を見ます。
犬がリラックスしているようなら、洗浄液やローションをコットンに染み込ませ、耳介や耳道の入口付近の汚れを手早くそっと拭き取ります。
耳の奥には触れないようにしましょう。
洗浄液を耳に注入して掃除をする方法です。
定期的な掃除を必要とする犬では1カ月に1回程度行います。
そのほかの犬では耳の奥の汚れがひどいときのみ行います。
① 耳介の表面のひだや耳道など見える範囲の汚れを優しく拭き取ります。
② 洗浄液を直接耳の穴に注入し、液面が見えるまで耳道に満たします。嫌がるようであれば無理はせず、途中でやめてください。
③ 耳の付け根(耳の穴の下あたり)をマッサージするように横、縦とくり返しなでます。すると汚れが落ちやすくなります。
④ 犬は頭をブルブルと振って耳から水を出そうとします。その遠心力で汚れが耳道の外に出るので、湿らせたコットン等で汚れを拭き取ります。犬が頭を振らないときは耳に息を吹きかけてみましょう。これで頭を振ってくれるはずです。
耳道内がある程度きれいになるまで上記の①〜④を何度かくり返してください。
耳垢は犬の健康のバロメーターでもあります。
健康な犬の耳では、耳垢は薄い黄色で匂いやベタつきはほとんどなく、量も多くはありません。
耳垢が増えた、悪臭がする、色が変わった、耳を痒がるといった異常は、炎症や細菌感染、寄生虫のサインかもしれません。
動物病院で診察を受けましょう。
悪臭がする、黄色くベトベトして膿の臭いがする
黒褐色でベトつき、発酵臭がする
乾燥して黒みがかっている
犬の耳掃除でやってはいけないことや注意したい点がいくつかあります。
① 耳から膿が出ている場合には、洗浄液等を使用して耳掃除をしない
② 綿棒や耳かきを使用して耳道内の耳垢を取らない
③ 消毒用アルコールやウェットティッシュは使用しない
④ 老犬や子犬に洗浄液は使用しない
⑤ 自己判断で耳毛を抜かない
⑥ 人間用の耳のケアグッズを使わない
犬は自分の体の不調を言葉で訴えることはできません。
それだけに飼い主は常に犬を気遣う必要があります。
犬の毛並み、歩き方、呼吸の様子、口臭などは普段から気にかけるところですが、耳もまた注意したい場所のひとつ。
犬の耳には自浄作用がありますが、耳の病気になりやすいタイプの犬もいます。
耳の汚れが目立つときなどには耳掃除をしなくていけません。
このとき犬の耳の様子や耳垢に異変を見つけたら、動物病院で診療を受けましょう。
犬はごく小さな音や人間の耳には聞こえない超高音や超低音も聞き取ります。
このようにするどい犬の聴覚を守るためにも、それぞれの犬に合った耳のケアを続け、犬との健やかな生活を楽しんでくださいね。