2020.10.30
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つぶらな瞳、よく動く耳、感情をそのまま表現するシッポ…。
そのすべてが愛くるしく、抱きしめずにはいられない愛犬たち。
ですが、抱きしめたあと、服に残る抜け毛だけはなんとも困りもの。
特に換毛期のそれときたら、服の色が変わったかと思ってしまうほど!
そこで今回は、換毛期とブラッシングについて、ガイア動物病院院長の松田唯先生への取材をもとに解説。
併せて、換毛期の抜け毛対策に最適な犬用のスクラッチャーブラシも紹介します。
あなたの愛犬にピッタリな一本を見つけてくださいね!
取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
獣医師
松田 唯
ガイア動物病院 院長。埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設。治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主が選択できる治療が好評。
ガイア動物病院
東京都杉並区下井草1-23-2
https://www.gaia-ah.com/
目次
“換毛期”とは、一年のうちで犬の毛が生え替わる時期のこと。
主に体温調整を目的としたもので、春と秋の年2回、約1か月かけて季節に適した毛に生え替わります。
春には冬毛が抜け落ち、密度の少ない夏毛に。秋には、夏毛から保湿性の高いふわふわとした冬毛に替わります。
いわば、我々人間が衣替えをするようなものです。
ただ最近は、室内飼育のケースが増えており、温度変化を感じないためか、一年中毛が抜けることもあります。
現在、犬の品種は約700~800種あるといわれていますが、被毛の種類に着目すると、大きく2つのタイプに分類されます。
そのひとつが、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の2層からなる“ダブルコート”タイプ。
もう一方は、アンダーコートを持たない“シングルコート”タイプです。
換毛期はあるのはダブルコートの品種です。
<長毛>
ゴールデンレトリーバー、シェトランドシープドッグ、ポメラニアン、チワワ、ダックスフント、キャバリア、コリ―など。
<短毛>
ジャックラッセルテリア、柴犬、秋田犬、ウエルシュコーギー、シベリアンハスキー、フレンチブルドッグなど
<長毛>
プードル、ヨークシャーテリア、パピヨン、マルチーズなど
<短毛>
グレーハウンド、ミニチュアピンシャー、グレートデンなど
シングルコートの犬種に換毛期はありませんが、通常の生え変わりはあり、全く抜け毛がないわけではありません。
また、シュナウザーのようなダブルコートでありながら、まったく換毛しない種類もあります。
換毛期に限らず、ブラッシングはとても重要です。
メリットをいくつか挙げてみましょう。
犬は全身毛が生えている生き物です。換毛期が来ると、品種によっては家の中に毛の塊がフワフワしてしまうほど毛が抜けます。
犬は猫と違い、あまりグルーミングをしないので放っておくと自宅が毛まみれになるだけでなく、場合によっては皮膚病になってしまうこともあります。
毛繕いをする性格の場合でも、毛を飲み込んでしまうので、胃の中に溜まって慢性胃炎や消化管閉塞の原因になったり、吐き癖の元にもなったりします。
ブラッシングをしてあげることで、飼い主も犬もお互いに快適に過ごすことができるようになります。
皮膚のマッサージ代わりになり、新陳代謝を促すことでいつも健康な皮膚でいることができます。
けがや脱毛・赤み・フケなどの皮膚病、できもの(腫瘍)を見つけることができます。
病気は軽症のうちに治す―これが長い間健康でいるコツです。
ブラッシングは楽しいこと! と覚えさせることができれば、楽しんでやらせてくれるようになります。
撫でられるのが好きな犬であれば、ブラッシングのチャンスかもしれません。
「家から一歩も出てないのに、ノミに感染しているので診察してほしい」と受診するケースがよくあります。
これは、家族がズボンの裾にノミをくっつけて運んでくるため。
日頃からブラッシングを行うことで、繁殖して増える前に見つけられます。
次のような場合は、特にブラッシングをやってあげてください。
これは猫で多い話なのですが、犬でも、飲み込んでしまった毛が胃の中にあるとムカムカして吐き出すことがあります。
吐き出すことはいいのですが、ご飯なども混ざって出てくるので痩せていくことがあります。
飲み込む毛を少なくするためにも、ブラッシングは効果的です。
長毛の犬は、場合によっては定期的にトリミングに出さないといけないほど毛が絡みやすいです。
特に、耳の後ろ、脇の下、膝の裏、お尻まわりなど。一旦毛玉になってしまうと、毛が引っ張られることで痛いだけでなく、皮膚炎の原因にもなる可能性があります。
換毛期が有る無しに関わらず、長毛の場合はやってあげるべきと思われます。
腰や関節が痛い、太りすぎている、足が動かないなどあまり動くことができない場合も有効です。
毛や皮膚を清潔に保つことができ、生活の質を落とさないで済みます。
効果的なブラッシングのためには、ブラシ選びもとても重要です。
単に犬用ブラシといっても実にさまざまなものがあるので、使いやすさや目的で選びましょう。
犬用ブラシの定番ともいえるブラシです。細かいピンが毛の根元まで届き効率的。犬種を問わず使用できるのが特徴です。
毛玉がある場合におすすめ。ただし、先端が尖った針金なので、ブラッシングしすぎると皮膚を傷つけてしまうことがあります。
ゴム製のブラシ。血行促進におすすめのタイプ。
皮膚への刺激が程よく、引っ掛けるようにして毛を集めてくるので散らかりにくい印象です。
チワワやジャックラッセルテリア、柴犬など、スムースコートや短毛種におすすめ。シャンプー中にも使えます。
ゴム製の小さな凹凸がついた手袋型のブラシ。やさしくなでている感覚で使用でき、ブラシに対して恐怖感のある犬にもおすすめです。
抜けた毛も簡単に集めて取ることができます。
人間のクシと同じく、細い歯が一例にならんだ形状です。
顔周りなどの細かいところや、スリッカーだけでは難しい毛玉に使用します。
目の細かいコームならノミ取りにも利用できます。ただし、全てのノミはとれないのでお薬での駆虫の方がおすすめです。
靴磨き用のブラシに似た形をしたもので、さまざまな毛質のものがあります。
ごっそり毛を抜きたい方には少々物足りないかもしれませんが、犬自身は喜んでくれることが多いようです。
アンダーコートを効果的に取り除くためのブラシ。
今回は、換毛期の必須アイテムともいえる、おすすめのスクラッチャーブラシ6点をご紹介します。
※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。
※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。
商品名 | 画像 | 詳細を見る | 種類 |
ルークランフーリー | S・M・L、全10色 | ||
スペクトラムブランズジャパン株式会社ファーミネーター | XS~XL/短毛用・長毛用計10種類 | ||
Pecute抜け毛取りカーブブラシ | S・L | ||
FANTASY WORLDマルチグルーマー 4 in 1 | ワンサイズのみ | ||
ドギーマンイージープロ アンダーコート2WAYトリマー | S・M | ||
IDOG&ICATGroomieアンダーコートケアブラシ | ワンサイズのみ |
ペット先進国フランスで、獣医やトリマーの視点から開発された人気のペットブラシ。
抜け毛だけを除去する特殊刃を使用しています。
また、刃を取り外して水洗いできるので、常に清潔に保てるのも魅力です。
サイズはS~Lの3種類。
SとMは本体の大きさは同じですが、刃の横幅が少し異なります。
編集者が使ってみました!
ポメラニアンとチワワのミックス犬を飼っている編集者が、実際に愛犬に使ってみました。
ダブルコート(長毛)の犬種なので、ブラッシングによる抜け毛対策が欠かせません。ちょうど換毛期を迎えた頃に試しました。
今回の掲載商品の中で、最も重量バランスがヘッド寄りの印象。重力に任せてラクにとき降ろせました。
Sサイズの刃幅(くし部分)は約4.0㎝。本体の幅が広い割に、刃幅は狭めですが、しっかり毛を取ることができました。
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 長さ15×幅7.5cm |
重量 | – |
種類 | S・M・L、全10色 |
素材 | 本体:ABS樹脂+TPRゴム、刃:ステンレス |
アメリカ生まれのグルーミングツール。
体全体を軽くブラッシングするだけで、抜け毛の約90%を取り除いてくれるという優れもの。
とくにアンダーコート処理に定評があり、多くのトリマーも愛用するロングセラー商品です。
ブラシに付着した毛は、本体に付いたボタンをワンプッシュするだけで簡単にゴミ箱にポイ。
お手入れが楽なことも人気の理由です。
豊富なサイズとラインナップも特徴。
短毛、長毛用それぞれXS~XLまでそろっているので、愛犬にピッタリな一本が選べます。
編集者が使ってみました!
両端のエッジガードでステンレス刃が保護されているので、肌への食い込みを防ぎ、安心して使えました。
その分、刃幅(くし部分)はSサイズで約4.0㎝と狭め。ブラッシング回数は増えますが、安全性は◎。
グリップが手になじみやすい太さ・形状で、今回の掲載商品の中で一番持ちやすかったです。
またブラシについた毛は、ボタンを押せば簡単に取り除けるのが便利。効率よく毛を取ることができました。
サイズ(幅×奥行き×高さ) | (短毛用)XS/ 5.5×6.5×15㎝、S/5.5×6.5×15㎝、Ⅿ/7.5×6.5×15㎝、Ⅼ/7.5×6.5×15㎝、XL/13.8×6.5×15㎝ (長毛用)XS/4.1×6.5×11.5㎝、S/5.5×6.5×15㎝、M/7.5×6.5×15㎝、Ⅼ/7.5×6.5×15㎝、XL/13.8×6.5×15㎝ |
重量 | (短毛用)XS/170g、S/170g、M/196g、Ⅼ/196g、XL/266g (長毛用)XS/122g、S/170g、M/196g、L/196g、 XL/266g |
種類 | XS~XL/短毛用・長毛用計10種類 |
素材 | 刃:ステンレス、柄:ポリプロピレン、合成ゴム |
刃の部分にカーブを持たせた独自のデザインが特徴。
犬の身体にピタッとフィットするように設計されており、ひとなでて広範囲をカバー。効率的にキャッチします。
人間工学に基づいて設計されたグリップは握りやすさ抜群。
大型犬のブラッシングも楽々行えます。
ワンプッシュボタンで、取り除いた毛の後始末も簡単。
ハンドル部分の先端には、収納に便利な吊り下げ用のループが付いています。
アンダーコート処理に重点を置いた商品のため、シングルコートの犬種には使用できません。
編集者が使ってみました!
刃先が緩やかな曲線を描いており、体に沿ってなでやすくなっています。グリップの硬さがちょうどよく、握りやすかったです。
ボタンを押すと、ブラシに付いた毛を簡単に取り除けて効率的。
本体幅は広いですが、Sサイズの刃幅(くし部分)は約4.0㎝と狭め。毛はしっかり取ることができました。
サイズ(幅×奥行き×高さ) | S/9.3×4.8×16.8cm(刃幅7.6cm)、Ⅼ/6.2×11.3×16.8cm(刃幅10㎝) |
重量 | S/145g、Ⅼ/170g |
種類 | S・L |
素材 | 刃:ステンレス、柄:ポリプロピレン、合成ゴム |
4つの機能を兼ね備えたマルチブラシ。
これひとつで、アンダーコート除去はもちろん、ロングコート整毛、ムダ毛除去、ショートコート整毛も可能です。
本体1本に2種類のブラシがセットになっていて、普段のお手入れから換毛期のお手入れまで幅広く使い分けできます。
ブラシの取り付けも簡単です。
編集者が使ってみました!
目の細い短毛用ブラシは、整毛しながらノミ取りもできて、愛犬を清潔に保てるのが助かります。
短毛用のほか、ブラシを交換すればムダ毛除去、アンダーコート除去、長毛の整毛もOK。
ブラシは差し込み式なので、工具を使わなくても簡単に交換できました。
刃幅(くし部分)は約4.8㎝。ソフトグリップで持ちやすく、毛がしっかりと取れました。
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 5.9×15.3×4.2cm |
重量 | 本体:78g |
種類 | ワンサイズのみ |
素材 | 本体:ABSプラスチック、グリップ:TPRラバー、刃:ステンレス、ピン:クローム |
ヘッド部分を取り外して使用できる2wayブラシ。
ヘッドをハンドルに取り付けた状態で全体をケア。
顔周りや脚、シッポの先などの細かな部分をケアするときは、ヘッド部分だけを取り外して使用。
ハンドルなしでも持ちやすく、しっかりと抜け毛が除去できて便利です。
ブラシを怖がるワンちゃんにもおすすめです。
編集者が使ってみました!
抗菌仕様なので清潔に使え、握り心地も良かったです。
ブラシとグリップを分割でき、グリップを外せば細かい作業もしやすいでしょう。
ただ脱着にコツがいるため、合体させたままの方が使いやすかったです。
刃幅(くし幅)は約4.2㎝。ラバーグリップが持ちやすく、毛をしっかりと取ることができました。
サイズ(幅×奥行き×高さ) | S/5.6×6.0×14.8㎝、M/7.8×6.0×14.8㎝ |
重量 | S/83g、M/100g |
種類 | S・M |
素材 | 本体:ABS合成ゴム、刃:ステンレス、刃カバー:PVC |
アンダーコートケアに特化したケアブラシ。
刃と刃の間にオーバーコートを逃がす独自設計になっていて不要なアンダーコートのみを絡め取ります。
ハンドルの背側には親指を当てる凹みを設けてあり、力の入り過ぎを防いでくれます。
刃はステンレス製で、サビにくく耐久性に優れています。
編集者が使ってみました!
ペットの肌や毛を傷つけない特殊な刃になっています。
ヘッド部分に重心が寄っていますが、グリップを握っていればバランスが取れていました。
刃幅(くし部分)は約6.0㎝。今回のラインアップの中で一番くし幅が広く、一回の動作でたくさんの毛が取れました。最も効率的に毛が取れた印象です。
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 幅7×高さ15.5㎝ |
重量 | 110g |
種類 | ワンサイズのみ |
素材 | 本体:ABS樹脂TRRゴム、刃:ステンレス |
短毛種、長毛種、毛玉はあるのか、毛の抜ける量はどのくらいなのかなどによってブラシはと使い分けるべきといわれますが、まずは性格に合わせて選ぶ方がいいでしょう。
ブラシを見るだけで逃げ出してしまうなど、じっとしていられない場合には、手を濡らして撫でるだけでもかなりの毛を取ることができたりします。
やって欲しいことはなかなか覚えないのに、痛かった、怖かったことはずっと覚えているものです。
ブラッシングも一緒で、徐々に慣れさせていく必要があります。
次のような点を気にしながらブラッシングするのがおすすめです。
・ できれば仔犬のうちから始める。遊んであげながらブラッシングをする
・ 1回で全身やろうとするのではなく、日々ちょっとずつ
・ 触られて嬉しそうなところから始める
・ 毛の向きに沿って行う
・ 顔周りなど細かいところはコームを使用して慎重に(眼に刺さらないように)
・ ブラシを怖がるタイプには、濡らした手→軍手タイプ→ラバーブラシなど段階的に慣らしていく
・ 毛は永遠と抜けます。ほどほどのところでやめましょう。
【監修者】獣医師松田 唯のコメント
大量の毛が抜ける換毛期は、部屋の掃除も大変ですよね。
ブラッシングによって、少しでも負担を軽減したいもの。
とは言え、無茶なブラッシングは犬にとっては辛いことです。
皮膚を傷めてしまう危険性すら含んでいます。
大切なのは、愛犬に合ったブラシを選びと適切なケア。
適切なブラシ選びで、ブラッシングが単なる“お手入れ”ではなく、愛犬との大切なコミュニケーションタイムになるといいですね。
今回は自宅でやる場合を想定してお話しましたが、手間と時間を考えるのであれば定期的にトリミングに出してしまうのも良いと思います。
あまりに毛玉が多いと追加料金が必要になりますが、定期的にトリミングしてもらうことで毛の管理をしやすくなります。
また、ワンちゃんを迎える前に、どれくらい維持に手間暇をかけられるのかを考えてから犬種を選ぶのも重要なポイントです。