【皮膚科医監修】妊娠中に使える無添加ボディソープ5選。肌の乾燥やかゆみのケアにおすすめ!

妊婦

妊娠中には、つわりや体重の増加をはじめ、さまざまな体の変化が起こります。

肌トラブルもそのひとつで、それまで使っていたボディソープで肌荒れが起こるケースは珍しくありません。

そんな妊娠中の肌トラブルと対処法について、うるおい皮ふ科クリニック院長の豊田雅彦先生にお話をお聞きしました。

取材・監修協力商品紹介部分は取材・監修範囲外です

皮膚科医
豊田 雅彦

豊田 雅彦

うるおい皮ふ科クリニック 院長。かゆみをなくすことをライフワークに掲げ、患者さんが希望を持てる診療に日々尽力。現在までに2,000以上の医学論文・医学専門書を執筆。また、国内外で年間最多250以上の講演会・学会発表・保健所指導を行う。受診患者の99%(年間約3万人)の症状を軽減・消失に導いた、世界有数の皮膚病・かゆみのスペシャリスト。

うるおい皮ふ科クリニック
千葉県松戸市日暮1丁目16-7
http://www.uruoihifuka.com/pc/index.html

妊娠中はどのような肌の変化が起こりやすい?

かゆみを感じる妊婦さん

2011年2月に実施されたナチュラルサイエンスアンケートによると、「妊娠中に肌質が変わったか?」という質問に対し「肌質が変わった」と答えた人は81.1%おり、肌質の変化を実感した女性が圧倒的に多い結果となっています。

また、1992年に発行された日本小児皮膚科学会雑誌(第11巻 第1号)によれば、妊娠期の肌状態について、「乾燥しやすい」「肌荒れしやすい」「シミができやすい」「刺激に敏感」などと感じるケースが多いようです。

それでは、妊娠中には具体的にどのような症状が起こり得るのでしょうか。症状のタイプを大別すると、以下の3つに分類されます。

●病気とはいえない妊娠中の生理的変化によるもの

色素沈着の増強や手のひらの発赤、クモ状血管腫のほか、肌の乾燥・肌荒れとそれによるかゆみも含まれます。

●妊娠による皮膚病の悪化

アトピー性皮膚炎や乾癬、膠原病、皮膚腫瘍など、妊娠前からの皮膚病が悪化するケースです。

●妊娠に特異的な疾患によるもの

具体的には、次のような疾患が挙げられます。

PUPPP
初産婦によく起こる症状です。腹部の妊娠線周辺などに、強いかゆみを伴うじんましんの様な紅斑が出ます。

妊娠性痒疹
経産婦に起こりやすい症状です。かゆみを伴う小丘疹が多発し、四肢から体幹へと拡大します。

妊娠性疱疹
経産婦に起こる症状です。体幹・四肢にかゆみを伴う浮腫性紅斑と小水疱が発生します。

妊娠性肝内胆汁うっ滞症
妊娠後期に起こる症状です。胎児の成長に伴い子宮底が上昇することによって胆嚢・胆管が圧迫され、全身に強いかゆみを感じます。同時に、血中胆汁酸の増加と肝機能低下を引き起こす可能性も考えられます。

肌の乾燥やかゆみが妊娠中に起こるのはなぜ?

水分補給

先述したようなかゆみを伴う症状。これらが起こる理由としては、以下の要因が考えられます。

●ホルモンバランスの変化

生理の前後には肌荒れが起こりやすくなりますが、これはホルモンバランスの変化が主な原因。

妊娠中はそれより大きな変化が約10ヶ月も続くため、肌トラブルが起こりやすいのです。

特に妊娠中期~後期に多く分泌される女性ホルモン・エストロゲンは日光に対する過敏性を増加させ、プロゲステロンは皮脂分泌を促進させます。

これらのホルモンの急激な変化によって肌のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなったり、日光に過敏になったり、それまで使用していた化粧品が合わなくなったりします。

さらに、つわりによる栄養バランスの乱れや体調不良、運動不足などが加わって肌荒れを悪化させるケースも。

このような肌トラブルは、顔だけでなく皮膚が擦れやすい腋や乳房の下、鼡径部などにも頻度に起こり得ます。

●体内から皮表へ補給する水分の不足

一般的に、妊娠中の母体の血液量はピーク時に約1.5倍になるといわれており、その血液や羊水の生成、胎児の成長に体内の水分が使われます。

加えて、妊娠初期にはつわりによる吐き戻しや飲水量の減少も起こり得るので、体内の水分は不足しがち。

体内の水分量が減ると、体内から皮膚へ補給される水分も不足し、肌が乾燥してかゆみや肌荒れを引き起こす原因になります。

●皮膚バリア機能の低下

さまざまな要因でかゆみが出た場合、搔きむしるとさらに皮膚のバリア機能が低下して症状が悪化することがあります。

●アトピー性皮膚炎の悪化

もともとアトピー性皮膚炎の症状がある人は、妊娠すると免疫状態の変化や異常、ホルモンの変化、汗の増加、胎児の成長に伴う必要栄養素の不足、ストレスなどが原因で症状やかゆみが悪化する可能性が考えられます。

かゆみやカサカサ肌の解消法は?

痒みを感じる女性

肌のかゆみや乾燥の原因は、体の不調や水分不足によるものが多いです。

これらの症状を感じた時は、次の方法を試してください。

●水分をしっかり補給する

肌が乾燥気味の時は体内に水分を補給することが重要です。

摂取量の目安は、1日最低2リットルほど。つわりで水が飲めず脱水症状がひどくなると、産婦人科で点滴を行うケースも考えられます。

●温かい飲み物を飲む

冷たい飲み物は体を冷やして血行を悪くするため、できるだけ温かい飲み物を飲むのがおすすめです。

●部屋の湿度を調節する

冷暖房を長時間使用していると、湿度が下がり空気が乾燥しがちです。

空気が乾くと皮膚の水分も蒸発してしまうので、適切な湿度を保つようにしましょう。

●紫外線対策をする

紫外線による肌荒れや乾燥を防ぐためには、日焼け止めを塗ることが大切です。

●肌に優しい衣類を着る

直接肌に触れる衣類は、綿やシルク、ウールといった刺激の少ない天然素材のものを選ぶのがおすすめです。

また、下着は妊娠中の体に合わせて作られているマタニティブラやマタニティショーツを着用するようにしましょう。

●低刺激のボディソープで体を洗う

妊娠中は皮脂の分泌が増えるほか、汗の量も増加します。

皮脂や汗が増えると雑菌が増殖し、皮膚の常在菌のバランスが崩れて肌荒れやかゆみを悪化させてしまいます。

そうした肌トラブルを防ぐためには、「低刺激性処方」や「敏感肌用」などの刺激成分が少ないボディソープをよく泡立てて汚れを落とし、肌を清潔に保つことが重要です。

●肌の保湿を行う

肌を洗った後は、皮膚にうるおいを補給する保湿剤・湿潤剤と皮膚表面の保護を目的とした保護剤・閉塞剤をバランスよく使用して保湿ケアを行うことが大切です。

特に乾燥時は肌がデリケートな状態なので、刺激の少ない敏感肌用のスキンケア製品を選ぶようにしましょう。

豊田 雅彦

【監修者】皮膚科医豊田 雅彦のコメント

かゆみと掻破の悪循環によって皮膚症状やかゆみがひどくなった場合は、必ず皮膚科専門医の診察を受けるようにしてください。

ボディソープの選び方

ボディソープを使う女性

妊娠中のデリケートな肌を清潔に保つために欠かせないのが低刺激処方のボディソープです。

なるべく「自分の肌質に合ったもの」を選びたいところですが、商品の選定は難しいものです。

どれを買えば良いのか迷う人は、かかりつけ医とも相談しながら以下の基準を参考にしてください。

①洗浄力:刺激が少なく使い心地がマイルドなもの

②保湿力:保湿力が高く肌への負担が少ないもの

③肌へのやさしさ:肌のヒリツキを感じないもの

④泡立ち:泡がきめ細くクッション性のあるもの

⑤香料:つわりの時などに気持ち悪くなってしまう場合があるので無香料のもの

⑥添加物:合成香料、合成着色料、防腐剤、合成界面活性剤、アルコール(エタノール)などの配合が少ないもの
※無添加化粧品と安全性は無関係のため、アレルギーを起こさないものを選びましょう

※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。edimo編集部が独自に行っています。

※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。

※商品によってはユーザーのレコメンドが記載されています。これらは個人の感想であり、効果効能を示すものではありません。

無添加のボディソープおすすめ5選

それでは、編集部がセレクトしたおすすめの無添加ボディソープを5点ご紹介します。

カウブランド無添加「カウブランド 無添加ボディソープ」

天然由来の石けん成分に加えて、肌にうるおいを残す天然由来のアミノ酸系洗浄成分を配合。

泡切れがスッキリの液体タイプと泡で出てくる泡タイプがあり、どちらもクリーミーな泡立ちです。

また、皮ふアレルギーテストをクリアした処方のみを採用しているのもポイント。

着色料や香料、パラベンなどの防腐剤や品質安定剤、アルコールは不使用です。

おすすめここがおすすめ
・天然由来のアミノ酸系洗浄成分を配合
・クリーミーな泡立ちで泡切れも良い

【商品名】カウブランド 無添加ボディソープ
【ブランド】カウブランド無添加
【メーカー】牛乳石鹸共進社
【内容量】550ml
【主な成分】液体タイプ:コカミドMEA、ジステアリン酸グリコールなど/泡タイプ:コカミドMEA、セラミドNGなど
【無添加/不使用成分】着色料、香料、パラベンなどの防腐剤、品質安定剤、アルコール不使用

シャボン玉石けん「無添加ボディソープ たっぷり泡ボトル」

低刺激・低アレルギー性でポリフェノールとビタミンを豊富に含んだグレープシードオイルで作った石けん素地と水だけでできているのが特徴。

もちろん香料・着色料・酸化防止剤・合成界面活性剤などは不使用です。

泡タイプなので、タオルでソープを泡立てる手間がかからず、手軽にモコモコの泡で“手のひら洗い”することができます。

おすすめここがおすすめ
・石けん素地と水だけでできている
・手軽にモコモコの泡で“手のひら洗い”できる

【商品名】無添加ボディソープ たっぷり泡ボトル
【ブランド】シャボン玉石けん
【メーカー】シャボン玉石けん
【内容量】570ml
【主な成分】カリ石ケン素地など
【無添加/不使用成分】香料・着色料・酸化防止剤・合成界面活性剤不使用

ナイーブ「ナイーブピュア 泡ボディソープ」

洗う成分100%植物生まれと無添加処方。赤ちゃんにも使えるボディソープです。

泡質がへたりにくいので、少量で全身を洗えるのが魅力。泡切れが良いので、洗い流しも簡単です。

また、かわいらしいキャラクターテイストのボトルデザインもポイント。

子どもと一緒に余白に好きな模様を描き込んで、オリジナルボトルにアレンジすることもできます。

おすすめここがおすすめ
・洗う成分100%植物生まれと無添加処方
・かわいらしいキャラクターテイストのボトルデザイン

【商品名】ナイーブピュア 泡ボディソープ
【ブランド】ナイーブ
【メーカー】クラシエホームプロダクツ
【内容量】550ml
【主な成分】加水分解水添デンプン、トコフェロール、フェノキシエタノールなど
【無添加/不使用成分】着色料、香料、鉱物油、パラベン、シリコン、アルコール(エタノール)、サルフェート(硫酸系界面活性剤)不使用

モイストダイアン ボタニカル「モイスト ダイアン ボタニカル ボディソープ」

90%以上が天然由来成分で、10種類のオーガニックボタニカルエキスとオリーブ洗浄成分も配合されているのが特徴。

鉱物油や石油系界面活性剤、動物性原料、合成色素などは使われておらず、肌に優しい使い心地です。

うるおい重視の「シトラスサボン」と、紫外線による乾燥をケアする「シチリアンフルーツ」の2種類があるので、好みに合わせて選んでください。

おすすめここがおすすめ
・90%以上が天然由来成分で、10種類のオーガニックエキスを配合
・2種類の爽やかな香りが楽しめる

【商品名】モイスト ダイアン ボタニカル ボディソープ
【ブランド】モイストダイアン ボタニカル
【メーカー】ストーリア(発売元)/ネイチャーラボ(販売元)
【内容量】500ml
【主な成分】<シトラスサボン>オリーブ油PEG-7カルボン酸Na、レモングラス葉/茎エキスなど
【無添加/不使用成分】サルフェートフリー、パラベンフリー、石油系界面活性剤フリー、合成色素フリー、鉱物油フリー、エタノールフリー、動物性原料フリー(微生物由来原料やはちみつを除く)

ママバター「ママバター ボディソープ 500ml 無香料」

天然由来の保湿成分であるオーガニックシアバター由来の洗浄成分が使われており、お風呂上がりに全身の潤いが続きます。

泡立ちが滑らかで泡切れが良いのも特徴です。

また、パッケージがシンプルでスタイリッシュなデザインなので、バスルームのインテリアにこだわりがある人はぜひ。

おすすめここがおすすめ
・天然由来の保湿成分オーガニックシアバター由来の洗浄成分を使用
・パッケージはシンプルでスタイリッシュなデザイン

【商品名】ママバター ボディソープ 500ml 無香料
【ブランド】ママバター
【メーカー】ビーバイ・イー
【内容量】500ml
【主な成分】ラウラミドプロピルベタイン、シア脂アミドプロピルベタイン、シア脂など
【無添加/不使用成分】シリコーンフリー、動物性原料フリー、鉱物油フリー、合成香料フリー、合成着色料フリー、パラベンフリー、石油系界面活性剤フリー、エタノールフリー

商品一覧表

商品名カウブランド 無添加ボディソープ無添加ボディソープ たっぷり泡ボトルナイーブピュア 泡ボディソープモイスト ダイアン ボタニカル ボディソープママバター ボディソープ 500ml 無香料
ブランドカウブランド無添加シャボン玉石けんナイーブモイストダイアン ボタニカルママバター
メーカー牛乳石鹸共進社シャボン玉石けんクラシエホームプロダクツストーリア(発売元)/ネイチャーラボ(販売元)ビーバイ・イー
内容量550ml570ml550ml500ml500ml
主な成分液体タイプ:コカミドMEA、ジステアリン酸グリコールなど/泡タイプ:コカミドMEA、セラミドNGなどカリ石ケン素地など加水分解水添デンプン、トコフェロール、フェノキシエタノールなど<シトラスサボン>オリーブ油PEG-7カルボン酸Na、レモングラス葉/茎エキスなどラウラミドプロピルベタイン、シア脂アミドプロピルベタイン、シア脂など
無添加/不使用成分着色料、香料、パラベンなどの防腐剤、品質安定剤、アルコール不使用香料・着色料・酸化防止剤・合成界面活性剤不使用着色料、香料、鉱物油、パラベン、シリコン、アルコール(エタノール)、サルフェート(硫酸系界面活性剤)不使用サルフェートフリー、パラベンフリー、石油系界面活性剤フリー、合成色素フリー、鉱物油フリー、エタノールフリー、動物性原料フリー(微生物由来原料やはちみつを除く)シリコーンフリー、動物性原料フリー、鉱物油フリー、合成香料フリー、合成着色料フリー、パラベンフリー、石油系界面活性剤フリー、エタノールフリー

まとめ

急激に体が変化する妊娠中には、不安やストレスを感じる人が少なくありません。

なるべく快適に過ごすためには、自分に合ったサポートグッズを選ぶことが大切です。

肌の不調を感じた人は、医師とも相談しながら、ぜひ今回紹介したポイントを参考にしてボディソープを選んでくださいね。

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