2021.08.02
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愛する我が子との幸せな授乳タイム…のはずが、“乳首が切れてしまって痛い!”と困ってしまっているママは案外多いもの。
あまりの痛さに“授乳をやめたい”とまで思った経験がある人もいるのではないでしょうか。
そうした痛みを防ぐためにおすすめなのが乳頭を保護する保湿クリームを使ったケアです。
ここでは、乳首ケアの方法や、乳頭保護クリームを選ぶポイントなどについてご紹介します。
また記事後半では編集部おすすめの乳頭保護クリームと、その使用感も紹介しています。
取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
産婦人科医
吉岡 範人
医療法人社団都筑会 つづきレディスクリニック院長。1978年千葉県生まれ。聖マリアンナ医科大学産婦人科で研鑽を積み、カナダブリティッシュコロンビア大学へ留学をし、幅広い視野を獲得した。その後、聖マリアンナ医科大学へ帰院後、「つづきレディスクリニック」院長に就任。丁寧な問診を通して一人ひとりの生き方の違いや年齢、ライフスタイルなどに寄り添い、すべての女性がいつまでも若々しく・活き活きと暮らすお手伝いができるレディスクリニックをめざしている。
助産師
遠藤 真由実
助産師11年目、岡山大学卒業後、助産師として大学病院産科病棟勤務を経て不妊治療専門クリニックでの経験を積み、幅広い分野での知識を身に着けた。現在は二児の母であることを活かし、つづきレディスクリニックにて一般婦人科診療から医療脱毛の施術まで幅広い女性のライフステージの看護に従事している。
医療法人社団都筑会 つづきレディスクリニック
神奈川県横浜市都筑区中川中央1丁目2-1 ヴァンクールセンター北4F
https://www.tsuzuki-ladys.com/
目次
授乳期は赤ちゃんにおっぱいを吸われることで、乳頭が乾燥し、傷つきやすくなっています。
ひどい時には乳頭に裂けたような傷が入る「乳頭亀裂」という状態になることも。
乳頭亀裂になると、乳頭が衣類に触れるだけでも痛みを感じ、出血を伴うこともあります。
【監修者】産婦人科医吉岡 範人のコメント
乳首のトラブルの味方になってくれるのが、乳頭を保護することを主な目的とした保湿クリーム。
乳頭が潤って柔らかくなれば、赤ちゃんが吸い付きやすくなり、傷も付きにくいでしょう。
・症状がなくても、授乳後に塗って予防する
・ 症状がある場合は、毎回の授乳後に塗る
乳頭保護クリームを出産・入院の準備物に入れておけば、産後の急なトラブルにも使えますね。
授乳に慣れ、トラブルがなくなってきても、赤ちゃんの乳歯が生えてくる時期は要注意。
乳首をかまれて痛くなることがあるので、授乳期間中は乳頭保護クリームを1本持っておくと安心です。
乳頭に塗るので、授乳の際に赤ちゃんの口に入っても大丈夫かどうかは選ぶ際の大きなポイント。
特に生後1、2カ月は授乳する回数が多いので、いちいち拭き取る手間がないものだと手軽に使えます。
乳頭保護クリーム自体が無香料であっても、多少成分の匂いがすることがあります。
人によっては産後で嗅覚が敏感になっていることもあるので、成分表示などをチェックし、慎重に選ぶことをおすすめします。
乳頭保護クリームの中には、赤ちゃんのおむつかぶれや、リップケアなど、乳頭以外の用途に使えるものもあります。
1つで多用途に使えると便利ですね。
※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。
※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。
商品名 | 画像 | 詳細を見る | 内容量 |
メデラmedela|ピュアレーン | 7g、37g | ||
カネソンカネソン|ランシノー | 10g | ||
ピジョンpigeon|リペアニプル | 10g | ||
ナチュラルサイエンスママ&キッズ|ニプルベール | 8g | ||
マドンナべビーマドンナ|ベビーバーユマドンナプラス | 10g | ||
スウィートマミー3%-Trois et la vie|にぷるん(ニップルスティック) |
羊毛に付着した分泌物を精製した天然ラノリン100%の乳頭保護クリーム。
拭き取り不要でそのまま授乳できるのがポイントです。
妊娠・授乳中の敏感な乳頭のケアだけでなく、赤ちゃんのリップケアやママの手荒れ対策といったスキンケアにも使えます。
携帯に便利な7g入りと、大容量37gの2サイズ展開。
編集者が使ってみました!
女性編集者が、テクスチャーと赤ちゃんへの安心感、そして授乳中のママにおすすめしたいポイントを検証しました。
硬めのクリームで、チューブをしっかり押さないと出てこないほどでした。
指先に取り、親指と人差し指で温めるようにしてなじませると、少しずつ柔らかくなりましたが、糸を引くほどのねっとり感がありました。
淡い黄色なので、マタニティブラや母乳パッドに色がつくかもしれません。
この商品は使用方法に「授乳前に拭き取る必要はありません」と書かれています。
そこで、クリームを塗った手のひらを舐めてみたところ、刺激やにおいは感じませんでした。
ねっとりと厚みのあるテクスチャーで、実際に塗ってみると、クリームを塗るというよりはのせる感覚でした。
液だれしないので、しっかりと乳頭を保護してくれるでしょう。
授乳頻度が高く、乳首がひび割れるほどの痛みに悩むママにおすすめです。
内容量 | 7g、37g |
母乳育児を応援する「カネソン」発の乳頭保護クリーム。
乳頭や乳房などの荒れやカサつきトラブルを緩和し、心地良い授乳をサポートしてくれます。
天然ラノリンを100%使用。肌に潤いを与えつつ、敏感な肌を保護する効果が期待できます。
使い方は、授乳後や必要な時に清潔な指に適量をとり、指先で柔らかくしてから乳頭全体に塗るだけ。
妊娠期から産後のママのスキンケアにも使えます。
たっぷり使いたい人には2本入りがおすすめ。
編集者が使ってみました!
「ピュアレーン」ほどではありませんが、しっかりとした硬さのあるクリームです。
指先に出したらすぐに体温で柔らかくなり、オイル状になりました。
乳白色クリームです。
体温でとかすと無色になるので、インナーに色は着かないでしょう。
食品衛生試験をクリアしているとのことで、赤ちゃんが口にすることへの安心感はお墨付きです。
こちらも舐めてみましたが、無味無臭でした。
チューブから出してオイル状になるまでが速いので、スピーディーに塗り広げることができました。
ただし、液だれしやすいので、注意が必要です。
乳頭に痛みがあるときは触れるのもつらいと思いますが、ソフトなタッチで塗れるので安心できるでしょう。
内容量 | 10g |
母乳育児をサポートするスキンオイル。
精製度の高い天然ラノリンを使用しており油特有の嫌なニオイがありません。
肌荒れを防ぐとともに肌に潤いを与えてくれるので、妊娠中の乳首ケアはもちろん、赤ちゃんのスキンケアにも使えます。
無香料・無着色・防腐剤不使用で、赤ちゃんの口に入っても大丈夫。
授乳時に拭き取る必要もありません。
お得な2本入り商品もあります。
編集者が使ってみました!
こちらもしっかりめのクリームです。
「ピュアレーン」よりは柔らかく、「ランシノー」よりは硬い感触のクリームで、親指と人差し指でじっくりなじませるととろけてオイル状になりました。
こちらも乳白色です。
体温が加わると無色のオイルになるので、マタニティブラや母乳パッドに着色汚れがつく心配はありません。
パッケージに「ふきとらずに授乳できる」と明記されています。
舐めてみたところ、味がしたりにおいを感じたりすることはありませんでした。
指先でなじませることによりオイル状に変化するため、とてものびがよかったです。
毎日の授乳で敏感になっている乳頭に優しいタッチで塗り広げることができそうです。
内容量 | 10g |
しっかりと乳頭に密着するオイルタイプの乳頭保護クリーム。
食用ヒマワリ油から作られた高純度オイルが過敏な肌の炎症を穏やかに鎮めます。
さらに、トウモロコシやヤシから抽出したエモリエントアミノ酸が、乳頭の表面にベールを作り、肌に潤いをしっかり閉じ込めます。
低刺激処方で口に入っても安心。乳頭ケアはもちろん乾燥肌のお手入れ、赤ちゃんのリップケアにも使えます。
食物アレルギーテスト済み、皮膚アレルギーテスト済み。
編集者が使ってみました!
オイルタイプで、容器のふたを開けて傾けるだけでサラッと出てきました。
指を伝って流れそうなほど柔らかいテクスチャーです。
無色透明です。
インナーへの着色を気にせず使えるでしょう。
肌に付けた直後はナッツのような甘いにおいをかすかに感じましたが、すぐに薄れました。
この商品にも「授乳前にふき取らなくても大丈夫」と記載されていたので舐めてみたところ、無味無臭で、刺激もまったくありませんでした。
のびがいいので、乳頭以外のスキンケアにも使えそうです。
ただ、サラサラしているので、授乳頻度が高く乳頭に傷があるような場合には、物足りないかもしれません。
離乳食が始まり授乳の回数が減ってきたママにおすすめです。
低温抽出された天然馬油に含まれるαーリノレン酸をはじめ、植物のモリンガオイル、トウキンセンカエキスなどの潤い成分をバランスよく配合した保護クリーム。
天然成分100%配合なので、産後の敏感な乳頭に安心して使えます。
乳頭亀裂をはじめ、会陰保護ケアや赤ちゃんのお尻ケア(※)などマルチユースが可能。
※赤ちゃんには生後0か月から使えます。
編集者が使ってみました!
硬めのクリームで、指でなじませるまでは、チューブから出したままの形をキープしていました。
指でなじませると滑らかなテクスチャーへと変化します。
淡いレモンイエローをしたクリームです。
マタニティブラや母乳パッドに色が着きやすいので注意が必要です。
無香料タイプですが、素材に含まれるパルマローザ油がかすかに香ります。
しかし、舐めても口の中ににおいが広がることはなく、無味無臭といっていいと思います。
指先で温めた後のテクスチャーはオイルよりも少ししっかりしたクリーム状で、塗りやすかったです。
「ピュアレーン」「ランシノー」ほどはさらさらにならず、厚みのあるテクスチャーなので、しっかり保護してもらっている実感がありました。
毎日の授乳で亀裂ができている場合に重宝しそうです。
内容量 | 10g |
マタニティウェアや授乳服を製造・販売する「スウィートマミー」と「株式会社プラチナファーマ」が共同開発した乳頭保護クリーム。
植物由来の保湿成分により、肌に潤いを与え乾燥を防ぐ効果が期待できます。
刺激の強い添加物は不使用。防腐剤、アルコール、石油系界面活性剤、鉱物油など8つの無添加も実現しています。
滑らかな塗り心地で、べたつきがなく、拭き取り不要で授乳できる点もポイント。
かさばらないので持ち運びしやすい点もおすすめです。
編集者が使ってみました!
今回紹介しているなかで唯一のスティックタイプ。
指先に適量を取り、なじませてから使用します。
固形ですが、体温でとけて柔らかくなりました。
乳白色をしています。
指先になじませると無色透明に変化するので、着色汚れを気にする必要はありません。
「拭き取り不要」と明記されている、赤ちゃんの口に入っても安心なタイプです。
舐めてみても刺激やにおいはなかったので、赤ちゃんが嫌がることもないでしょう。
肌に塗るときは柔らかなオイル状に変化するので塗りやすいです。
スティックタイプなので直接塗りたくなりますが、使用方法を守って、指先でなじませてから塗りましょう。
試しに直接塗ってみましたが、乳頭への当たりが強く、授乳期の敏感な乳頭には負担が大きいと思います。
内容量 |
妊娠中から乳頭・乳房マッサージをすることで、血流がよくなり、産後の母乳の分泌を促す効果が期待できます。
ただし、乳首を刺激することで子宮に刺激が伝わり、早産につながるリスクがあるともいわれています。
乳頭ケアを行う場合は、必ず産院の医師・助産師に相談し、自己判断でマッサージをしないように注意しましょう。
【監修者】産婦人科医吉岡 範人のコメント
妊娠期からの乳頭ケアは乳頭の柔軟化を促し、産後の授乳トラブルを軽減するという効果もありますが、乳頭を刺激することで子宮を収縮させるホルモンが分泌されるため、切迫流早産のリスクがあります。
お腹の痛み・出血・子宮収縮の自覚がある方は、乳頭刺激は控える方がいいでしょう。
授乳期に乳頭保護クリームを使用していた先輩ママに、その感想を教えてもらいました。
30歳・女性
産後、乳頭に痛みが出たため、乳頭保護クリームを使用しました。授乳後と入浴後に塗っていたほか、ラップで覆って乳首をバックすることもありました。使用しなくなった後は、リップバームとしても使えて、かなり重宝しました!
28歳・女性
授乳中に乳首が切れたり、傷ついたりしたときに使おうと、出産前から購入していました。乳首が痛くなった時には、すぐ塗るようにしていました。
29歳・女性
乳頭が赤くなり、痛くなってしまったので、産後すぐに購入。ネイルケアに使うこともありました。
【調査概要】調査方法:インターネット調査、調査期間:2023年2月1日~2日、回答者数:111人(女性)、アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社
授乳の際に乳頭が痛いと思っても、乳頭保護クリームでケアすることで、改善できる場合もあります。
乳頭の痛みで母乳育児を諦める前に、ぜひ一度試してみるといいですね。
授乳時期の乳頭や乳輪はデリケートなうえ、授乳という物理的な刺激で乳頭へダメージを受けるほか、乳頭の傷口から細菌・真菌感染し乳腺炎を引き起こすこともあります。
特に産後早期は育児に不慣れなことによる抱っこの仕方やポジショニングなどが原因となることが多いでしょう。
出血や痛みを伴うため、母乳育児が苦痛に感じることもあります。
乳頭トラブルがある場合は母乳育児の専門家や、分娩施設などを早めに受診しましょう。