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インフルエンザや風邪が流行る季節になると、体温チェックを行う機会は増えてくるのではないでしょうか。時間がない朝に体温を測るのは、意外と手間。特にじっとしていられない幼い子どもの脇に体温計を挟んで測るのは、ひと仕事でしょう。そんな日常的な検温を手軽に行えるのが、非接触体温計。数秒で結果が出るので、子どもや高齢者の体温チェクも簡単に行えます。
今回はたけうちファミリークリニック院長の竹内雄毅先生に、非接触体温計の選び方について取材。その助言をもとにedimo編集部が実際に比較検証しました。
取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
医学博士・小児外科専門医
竹内雄毅
京都府精華町「たけうちファミリークリニック」院長。京都府立医科大学小児外科 客員講師。
小児科・小児外科の診療を軸に、病児保育や発達支援、離乳食教室・ベビーマッサージ・絵本の読み聞かせなど、地域の子育てを総合的に支える活動を展開している。
「クリニックを“行きたくない場所”から“行きたくなる場所”へ」をテーマに、医療を地域のコミュニティデザインの中心に据えたまちづくりを推進。現在は、隣接地に親子や地域の人々が自然に集い、安心して交流できる“芝生広場プロジェクト”を進行中。医療と暮らしをつなぐ新しい地域モデルの構築を目指している。
たけうちファミリークリニックホームページ：https://www.takeuchi-family-cl.com/
目次
非接触体温計とは、人体から自然に放射されている赤外線をセンサーで検知し、その量から体温を算出する体温計のことで、次のようなメリット・デメリットがあります。
非接触体温計は、肌に直接触れない分、少し誤差が出やすいという特徴があります。研究によると、脇の下で測る接触体温と比べて0.3〜0.5℃ほどの差が出ることがあるとされています。
一般的に、非接触体温計で測る体の部位は『額・こめかみ・耳』の3カ所です。測定部位は、商品によって異なります。
誤差やエラーをできるだけ防ぐためには、次のようなケースを避けて測定するのがポイントです。
非接触体温計を使用する際は、①入浴後や、外出先から帰宅した直後を避ける、②汗や水分を拭く、③取扱説明書通りの距離・角度を保つ、④額で測定する場合は、前髪や帽子を避ける、⑤2～3回の連続測定を行い異常値を除外する、といったポイントに注意しましょう。
測定部位によって使い勝手が異なるため、使用する人の年齢や目的に合わせて選ぶことが大切です。
体温計を耳に挿入して測る『耳タイプ』は、『額やこめかみタイプ』と比べると外気温の影響による誤差は出にくいものの、正しい挿入角を取るのに手間がかかります。挿入角がズレると計測に誤差が出る可能性もあるので、『額かこめかみタイプ』の方が使い勝手は良いでしょう。
【監修者】医学博士・小児外科専門医竹内雄毅のコメント
医療機器認証番号とは、日本国内で医療機器として製造販売するために必要な手続きを行ったことを示す番号のこと。一般的に16桁の数字とアルファベットで構成され、本体やパッケージに記載されています。
この番号が記載されていない製品は“体温計”ではなく、体温を正確に測定することを目的としていない“温度計”なので、必ず番号の付いた製品を選ぶことが大切です。
非接触体温計にはさまざまな機能が備わった商品があるので、より便利なものを選ぶのがおすすめ。ただし、機能が増えすぎると操作が複雑になる可能性もあるため、自分に必要なものを考えて選ぶようにしましょう。
監修者に教えてもらったことをもとに、edimo編集部がおすすめ商品をピックアップ。実際に体温を測った際の使いやすさや、接触体温計と比較した計測結果の誤差をお伝えします。
※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。
※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。
| 商品名 | 画像 | 詳細を見る | 計測位置 | 便利機能 |
ちゃいなびCHINAVI｜赤外線体温計 JPD-FR409 |  | 耳、額 | オートパワーオフ、メモリー機能、サイレント（消音）機能等 | |
シチズン・システムズシチズン｜シチズン額式体温計 HL710H |  | 額 | オートパワーオフ、メモリー機能（12回分）、バックライト等 | |
タニタタニタ｜タニタ非接触体温計BT-543 |  | 額 | オートパワーオフ、バックライト、メモリー機能（30回分）等 | |
ケイジェイシーDr.EDISON｜光ナビ体温計PRO 皮膚赤外線体温計 |  | 額 | 光ガイド、バックライト、メモリー機能（1回分） | |
ドリテックdretec｜TO-401非接触体温計 |  | こめかみ | オートパワーオフ、メモリー機能（24回分）、電池切れマーク |
耳と額のどちらの体温も測定でき、物体表面温度計としても使える3WAY仕様。測定にかかる時間は約1秒です。
物体表面温度測定モードは、赤ちゃんのミルクや沐浴で使うお湯などの表面温度を0℃〜100℃まで測れる優れもの。非接触タイプなので、衛生的なのも魅力です。
計測結果は、ランプと音でお知らせ。体温が35.0℃よりも低いか、37.5℃よりも高い場合に表示ランプが赤く点灯し、短いビープ音が3回鳴ります。過去の結果は最大20件まで記録され、それ以前のデータは自動的に消されます。
編集者が使ってみました！
アナログ体温計の測定値よりも、数値が低めに出ることが多い印象で、数回エラーも出てしまう結果に。慣れれば正確に測れました。取扱説明書では額から1〜3cmの距離で測定するよう書かれていましたが、1cmほどの近い距離の方がより正確に測れました。
今回は、額でも耳でも計測しましたが、耳の方がバラツキが大きい結果になりました。
機能ごとにボタンが分かれているので、感覚的に使いやすいのが魅力。右サイドには「Ear/Head」という測定部位の切り替えボタンと「adult/child」の切り替えつまみ、左サイドには「memory/mute」ボタンが付いています。
額を測る場合は角度を保ちやすい印象でしたが、耳は正確な位置がよく分からず、計測が難しかったです。
| 計測位置 | 耳、額 |
| 医療機器認証番号 | 302AFBZX00009000 |
| 便利機能 | オートパワーオフ、メモリー機能、サイレント（消音）機能、電池残量表示、大人/子供モード切替 |
額での体温測定だけでなく、物体表面温度の単体測定と連続測定、室温測定という4つの測定モードを搭載。物体表面温度はミルクやお茶の温度測定に、連続測定はお菓子作りなどに使えます。
計測中に手の震えのような不安定な動きを検出すると、マークでお知らせ。また、測定結果が37.5℃以上の場合にはブザーが鳴り、発熱を通知します。
電源は、別売りのパナソニック製ニッケル水素充電池に交換可能。繰り返し使える電池を買い替えれば、環境にも配慮できます。
編集者が使ってみました！
アナログ体温計の測定値より、0.2〜0.3℃高く測定される結果が続きました。ただ、エラーが出ることはありませんでした。
ほどよいサイズ感で、手になじみやすいのが好印象。正しい角度も保ちやすく、ボタンも押しやすかったです。
薄暗い部屋でも結果を確認しやすい大型表示と、押しやすい大きな操作ボタンが特徴。体温測定モード、温度測定モード、サイレントモードの3種類からモードを選択できます。
体温測定モードでは、結果が38.0℃以上の場合に音と光でお知らせ。また、過去の記録は30件まで保存可能です。
温度測定モードは、ミルクやスープなどの表面温度も測定できるため、赤ちゃんに適温かどうかを数値で確認できます。
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アナログ体温計との誤差は-o.1〜+0.4℃と、結果にバラツキがある結果になりました。
今回使用した中で最もサイズが大きく、特に先端が大きく膨らんでいるので、バランスを保つのが少し大変でした。ボタンも少し固くて押しにくい印象。子どもが自分で使用するのは、難しいかもしれません。
『光ガイド』で正しい測定位置を視覚化することにより、測定の正確性をUP。一カ所を2秒で測定できる「部分測定」と、測定ボタンを長押ししながらゆっくりスライドさせて測定する「範囲測定」を行えます。
測定結果が光って表示されるバックライト機能付き。夜間でも文字が見やすく、部屋の電気を付けなくても使用可。
測定結果によってライトの色が変わるので、分かりやすいのも魅力。すべての操作はボタン1つで行えるので、取り扱いも簡単です。
編集者が使ってみました！
アナログ体温計の測定値と比べると、0.3〜0.4℃ほど高い結果が続きました。
今回使った中で最も小型で、気軽に使いやすい印象でした。救急箱にも入れやすいでしょう。ただ、他の体温計のように先が曲がっていないので、自分で測る場合は少し難しい印象でした。
『光ガイド』があるので、正しい角度は保ちやすかったです。
こめかみ専用の非接触体温計。約1秒で簡単に体温を測ることができます。
結果が37.5℃以上の場合は、6回の連続音で知らせてくれるので、素早く異変に気付けるのが魅力。過去の測定温度は、24回分保存できます。
また、物体の表面温度も測定できるので、赤ちゃんのミルク作りや沐浴などで役立ちます。
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アナログ体温計との誤差は-0.1〜+0.3℃という結果で、バラツキはある印象でした。
先がゆるくカーブしているので、使いやすかったです。自分で測る場合、こめかみなら鏡を見ながら確認しやすいのが魅力的でした。
プラスチックの本体が少し軽くてチープな印象は気になりました。また、乾電池を交換する際のカバーがとても外しにくかったです。
手軽に使えて、便利な機能も数多く搭載されている非接触体温計は、日常的な体温測定にぴったりです。特に子育てや介護などで体温測定の機会が多い人は、格段に手間を減らせるでしょう。
ただし、使用に適さない場面もあるので、なるべく脇の下に当てて測る接触体温計と両方持ってくのがおすすめです。上手に使い分けて、負担を減らしてくださいね。
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特におすすめのタイプは、寝ている子にも使いやすい額・こめかみ型です。ただし、発熱の臨床判断が必要なときは、接触型での確認を強く推奨します。