家庭に置きたい漢方常備薬7選。風邪のひきはじめにおすすめ！

微熱やせき、鼻水など、風邪の症状が現れた時は、なるべく早く対処したいですよね。

すぐ病院に行きたいところですが、仕事や家事、育児に追われるなかでは難しいもの。

そういう時に準備しておくと便利なのが常備薬です。

なかでも、副作用が少なく、体質そのものの改善に期待ができるといわれている漢方薬もおすすめ。

今回は、常備薬としてあると便利な風邪薬について、新見正則医院の院長、新見正則先生への取材をもとに紹介します。

取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です

風邪のひきはじめには漢方を服用しよう

総合風邪薬は、熱や鼻水、喉の炎症などの複数の症状に効く薬のこと。

別名、総合感冒薬とも呼ばれます。

こちらは風邪のひきはじめである急性期を過ぎた頃に服用することがおすすめ。

特に高熱時や子どもの発熱には、アセトアミノフェンが配合されているものが有効です。

ただ、風邪のひきはじめである急性期には漢方の服用を選択肢に入れることも大切。

今回は、風邪のひきはじめに処方されることが多く、体質そのものの改善にも期待ができるといわれている漢方薬について解説します。

熱や痛みを和らげる成分

葛根湯、麻黄湯…発汗作用のある麻黄を含む漢方薬で、発熱を誘導して免疫力を上げることで、熱や痛みを和らげます。

せきを和らげる成分

麻杏甘石湯…杏仁が肺に有効で、せき止め効果を発揮します。

たんを切れやすくする成分

麦門冬湯…麦門冬は、気道や気管支の粘膜を潤す滋潤作用によって、たんが出しやすくなります。

くしゃみや鼻水を和らげる成分

小青竜湯…乾姜と甘草が鼻水やくしゃみ止めに効果を発揮します。

炎症を和らげる成分

小柴胡湯、小柴胡湯加桔梗石膏…抗炎症作用を持つ柴胡と黄岑が、本格化してしまった症状に有効です。

【監修者】オックスフォード大学医学博士新見 正則のコメント

少々の発熱は体の中で免疫反応が起こっている証拠なので、つらくなければ発熱は楽しみましょう。
つらいときにはアセトアミノフェンで解熱させます。

個人差に合わせて気を付けたい成分

市販の風邪薬には、人によって注意が必要な成分が含まれているケースもあります。

服用すると体に負担がかかる可能性もあるので、注意してください。

NSAIDs（非ステロイド性抗炎症薬）

解熱鎮痛薬の有効成分には、「NSAIDs（非ステロイド性抗炎症薬）」とそうでないものがあります。

NSAIDsは熱や痛みを速やかに抑える働きを持つ一方で、副作用として血液凝固や、腎臓・肝臓・心臓の機能への影響などがあるので、注意が必要です。

また、子どもの服用もNGです。

抗ヒスタミン

抗ヒスタミンは、くしゃみや鼻水、鼻づまりに働きかける成分。

鼻炎薬をはじめ、風邪薬に配合されていることも多いです。

この抗ヒスタミンのなかには、眠気を催すものがあるので、車の運転前などの服用には注意が必要です。

麻黄

前述の漢方薬で紹介した麻黄は、胃が弱い方が服用すると胃もたれやムカつきを感じる恐れがあります。

おすすめ常備薬7選

和漢箋「新・ロート小青竜湯錠II　第2類医薬品」　

小青竜湯は、体を温めるとともに、発汗作用などで水を発散させ、鼻水、鼻づまりなどを改善する働きをもつ漢方薬。

さらに、アレルギー反応を抑える働きや、鼻づまりの原因となる鼻粘膜の血管拡張を抑制する働きもあるとされています。

そのため、アレルギー性鼻炎や花粉症、鼻風邪などに効果的。

飲みやすい錠剤タイプで、眠くなる成分が入っていないのも魅力です。

北日本製薬「葛根湯エキス顆粒SKT　第2類医薬品」

風邪のひきはじめや頭痛、鼻風邪、寒気がしてゾクゾクする時に効く漢方の風邪薬。

さらに、肩こりや筋肉痛、手や肩の痛みにも効果を発揮します。

成分は、カッコン、マオウ、タイソウ、ケイヒ、シャクヤク、カンゾウ、ショウキョウという7種類の生薬からできた乾燥エキスを採用。

食前または食間に、1日3回服用するタイプです。

第一三共ヘルスケア「カコナール　第2類医薬品」

カコナール（第2類医薬品）30ｍL×3本

粉末や錠剤の薬が苦手な人でも飲みやすいドリンクタイプ。

漢方本来の効き目を実感できる「水製抽出法」を採用しています。

一本あたりのカロリーは約16kcal。

眠くなる成分は含まれていないので、仕事や運転の予定がある人でも摂取しやすいでしょう。

対象年齢は成人（15歳以上）のみで、1日に3回、1回に1本を服用します。

クラシエ薬品「「クラシエ」漢方麦門冬湯エキス顆粒Ａ ［8包］　第2類医薬品」　

麦門冬湯は、漢方の古典といわれる中国の医書『金匱要略［キンキヨウリャク］』に載っている薬。

たんが切れにくく喉に絡むせきや気管支炎に有効です。

また、空せきやしわがれ声にも効果を発揮します。

服用量は1日3回、1回1包。

スティック状の包みに入っているので、薬を口に入れやすいのがポイントです。

クラシエ薬品「小柴胡湯エキス顆粒クラシエ［45包］　第2類医薬品」　

小柴胡湯は、圧迫感や吐き気、口内に粘りを感じる時に用いられる漢方薬。

風邪が十分に回復しないまま疲労感が残る、胃腸が弱り食欲がないなど、風邪の後期の諸症状に対しても効果的です。

服用回数は1日3回、4才以上から服用できます。

ジキニン「ジキニンファーストネオ錠　第2類医薬品」

喉の痛みによく効く3つの成分を配合した、錠剤タイプの総合風邪薬。

アセトアミノフェンが痛みを抑え、イブプロフェンが痛みや熱のもとになるプロスタグランジンの生成を抑制、トラネキサム酸が起炎物質の産生を防いで炎症を抑えます。

また、タンパク質を作るアミノ酸の一種で、胃を守る働きがあるグリシンが配合されているのもポイント。

その緩衝作用によって、胃の酸性度を和らげ、負担を減らします。

シオノギヘルスケア「セデス・ハイ　プロテクト　指定第2類医薬品」　

解熱鎮痛成分イソプロピルアンチピリン（IPA）とアセトアミノフェンの働きで、強い痛みを鎮める解熱鎮痛薬。

胃酸を中和し、胃粘膜を保護する成分も配合されているので、胃が荒れやすい人や、薬の服用後に胃の不快感が生じやすい人にもおすすめです。

発熱や頭痛をはじめ、生理痛や歯痛などにも有効なため、ストックしておくと便利でしょう。

商品一覧表

商品名	新・ロート小青竜湯錠II　第2類医薬品	葛根湯エキス顆粒SKT　第2類医薬品	カコナール　第2類医薬品	漢方麦門冬湯エキス顆粒Ａ ［8包］　第2類医薬品	小柴胡湯エキス顆粒クラシエ ［45包］　第2類医薬品	ジキニンファーストネオ錠　第2類医薬品	セデス・ハイ　プロテクト　指定第2類医薬品
			カコナール（第2類医薬品）30ｍL×3本
メーカー名	ロート製薬	北日本製薬	第一三共ヘルスケア	クラシエ薬品	クラシエ薬品	全薬工業	シオノギヘルスケア
ブランド名	和漢箋	北日本製薬	第一三共ヘルスケア	クラシエ薬品	クラシエ薬品	ジキニン	セデス
内容量	80錠	30包	30mL×3本	8包	45包	27錠、45錠	10錠、30錠
成分	小青竜湯エキス（マオウ、シャクヤク、カンキョウ、カンゾウ、ケイヒ、サイシン、ゴミシ、ハンゲより抽出）、添加物	カッコン、マオウ、タイソウ、ケイヒ、シャクヤク、カンゾウ、ショウキョウより製した乾燥エキス、添加物	葛根湯抽出液（日局カッコン、日局マオウ、日局タイソウ、日局ケイヒ、日局シャクヤクなど）、添加物	麦門冬湯エキス散（バクモンドウ、ハンゲ、コウベイ、タイソウ、ニンジン、カンゾウより抽出）添加物	小柴胡湯エキス粉末（サイコ、ハンゲ、ショウキョウ、オウゴン、ニンジン、タイソウ、カンゾウより抽出）、 添加物	アセトアミノフェン、イブプロフェン、トラネキサム酸、カンゾウ（甘草）エキス、ジヒドロコデインリン酸塩など	イソプロピルアンチピリン（IPA）、アセトアミノフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェインなど
服用量	【1日2回】 成人（15才以上）…1回4錠 7才以上15才未満…1回3錠 5才以上7才未満…1回2錠 5才未満…服用しないこと	【1日3回】 成人（15才以上）…1回1包 7才以上15才未満…1回2/3包 4才以上7才未満…1回1/2包 2才以上4才未満…1回1/3包 2才未満…1回1/4包 生後3か月未満の乳児…服用しないこと	【1日3回】 成人（15歳以上）…1回1本 15歳未満…服用しないこと	【1日3回】 成人（15才以上）…1回1包 15才未満7才以上…1回2/3包 7才未満4才以上…1回1/2包 4才未満2才以上…1回1/3包 2才未満…1回1/4包 3か月未満…服用しないこと	【1日3回】 成人（15才以上）…1回1包 15才未満7才以上…1回2/3包 7才未満4才以上…1回1/2包 4才未満…服用しないこと	【1日3回】 15才以上…1回3錠 15才未満…服用しないこと	【1日3回を限度】 成人（15才以上）…1回2錠 15才未満…服用させないこと
効能	体力中等度又はやや虚弱で、気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症	体力中等度以上：感冒の初期（汗をかいていないもの）、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み	体力中等度以上：感冒の初期（汗をかいていないもの）、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み	体力中等度：からぜき、気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声	体力中等度：食欲不振、はきけ、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感、かぜの後期の諸症状	かぜの諸症状（のどの痛み、発熱、せき、たん、鼻水、鼻づまり、頭痛、悪寒（発熱による寒気）、くしゃみ、関節の痛み、筋肉の痛み）の緩和	頭痛・月経痛（生理痛)・歯痛・神経痛・腰痛・外傷痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛の鎮痛 ・悪寒・発熱時の解熱
商品詳細	詳細を見る	詳細を見る	詳細を見る	詳細を見る	詳細を見る	詳細を見る	詳細を見る
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まとめ

熱や鼻水が出たからといって必ず薬を飲まなければならないわけではありませんが、薬を準備しておけばいざという時の安心につながります。

予想より熱が上がった時や、夜間に発熱した時なども、手元に薬があれば心強いはず。

体調が悪いなかで薬を買いに行く負担も減らせるので、事前に準備してみてはいかがでしょうか。