edimoはアフィリエイト広告を利用しています。
保育園・幼稚園デビューを控えた子どものいる家庭では、「うちの子は引っ込み思案でおとなしい性格だけど、うまくなじめるかしら」と悩む人も多いのではないでしょうか。
今回は、臨床発達心理士などの資格を持つ、「こどもとおとなのクリニック パウルーム」室長・黒木秀子さんへの取材に基づき、自己肯定感を高める必要性や周りの大人ができること、自己肯定感を高める絵本の選び方などについて解説します。
あわせて、黒木さんがおすすめする自己肯定感を高める絵本も紹介。
ぜひ、読んであげて下さい。
取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
公認心理師/臨床発達心理士
黒木 秀子
読書教育アニマシオン黒木秀子事務所代表
公認心理師
臨床発達心理士
保育士
2023年4月、小児科医の夫・黒木春郎氏とともに「こどもとおとなのクリニック パウルーム」を開業。公認心理師、臨床発達心理士として、子ども達とその保護者の心の不調、家庭や園・学校での悩みに寄り添い、サポートしている。
「アニマシオン」という読書教育の場づくりにも力を入れている。
こどもとおとなのクリニック パウルーム
https://pauroom.jp/
目次
自己肯定感とは、アメリカの心理学で使われてきたself-esteemという言葉の日本語訳で、ありのままの自分を認めて、自分に自信を持とうというものです。
日本では20年くらい前から、金子みすゞさんの詩「みんなちがって、みんないい」や、「ありのままでいいんだよ」という言葉の流行もあり、こうした考え方が広く親しまれてきました。
そしてここ5年ほどで、その考え方を指す「自己肯定感」という言葉が広まりました。
初めて保育園や幼稚園に入る3歳頃の子どもにとって、仮に「自己肯定感が下がる」とすれば、どういった状況が考えられるでしょうか。
第1は、母子分離に対する不安です。
保育園や幼稚園では母子分離で過ごすため、「ママと離れることがイヤ」「悲しい」「どうしてママは自分を置いて行ってしまうの」という感情を持つのは当然でもあります。
第2に、これまでの家庭での生活と違って、初めてのお友だちや先生、給食という新しい環境に入っていくことに抵抗がある場合もあります。
第3に、特定のお友だちとトラブルが起きることもあります。
これらを乗り越えて、集団生活になじんでいくには、自分の基地として愛情あふれる家庭があり、「いつも自分を支えてくれている」と感じられることが重要です。
子どもがそう感じるには、家族が子どものありのままを愛して、「信頼している」と伝えることが必要です。
それが幼児にとっての「自己肯定感の醸成」につながります。
3歳くらいの幼児には、自分に自信をもって園生活や家庭生活を楽しめるようになることがとても大切です。
それを自己肯定感と呼ぶこともできます。
ただし幼児の場合、外側から「自己肯定感がどの程度か」などと計測することはできません。
そこで、自己肯定感が高い状態を、「愛情たっぷりに育てられている」「満足そう」「幸せそう」「機嫌が良い」「お友だちにやさしくできている」といったことから判断します。
一方で自己肯定感が低いと、なんとなく機嫌が悪かったり、理由もなくすぐに泣いたりするなど、情緒が不安定になります。
そういった状態に見えた場合は、原因を考えて対策することはもちろん、ただ抱きしめてあげることも有効です。
3歳くらいの幼児にとっては、家族に愛されて、自分に自信を持てるのが「自己肯定感が高い」状態です。
子どもに向けて、常に「かわいいね」「大好きよ」「あなたがいてくれてうれしい」などの言葉を掛けることを心掛けましょう。
日常の出来事を振り返り、「よく我慢したね」「泣かなくてえらかったね」「上手にできたね」など、小さなことから積極的に褒めることも大切です。
また、赤ちゃんだった頃の思い出話や、「おなかに赤ちゃんができてどんなにうれしかったか」「祖父母や親戚の人が赤ちゃんをどんな風にほめてくれたか」などを、繰り返し話してあげるのも良いでしょう。
「すごく可愛かったよ」といった言葉も忘れずに伝えましょう。
3歳くらいの幼児の自己肯定感を育む・高めるには、絵本も効果的です。
ストーリーを通じて、さまざまな体験ができ、成長につながります。
選ぶ際には、次のようなポイントに注目してセレクトしてみましょう。
・ 家族と子どもの愛情が描かれている
・ 歌や詩など、耳からなじみやすいものがうまく使われている
・ 親が声に出して読んでみて、読みやすく、抵抗感がない
・ 絵の色がなるべくはっきりとしている
※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。
※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。
自己肯定感を育む・高めるのにおすすめの絵本を、テーマ別に紹介します。
商品名 | 画像 | 詳細を見る | 対象年齢 |
SCHOLASTICCaroline Jayne Church|You Are My Sunshine | 18~24カ月 | ||
ポプラ社せな けいこ|おふろにいれて | 3歳、4歳、5歳 | ||
ポプラ社まつおか たつひで|ぼくがきょうりゅうだったとき | 3歳、4歳、5歳 | ||
こぐま社にしまきかやこ|ふんふん なんだかいいにおい | 4歳~小学校低学年頃 |
英語で書かれている本ですが、みんなが知っているメロディなので、ママも自信をもって歌えます。
裏表紙に、この古い歌をあなたのサンシャインと一緒に歌いましょう、というメッセージが書かれており、わが子への愛情が改めてぐっと込み上げてくる絵本です。
読んでもらっている子どもにもママの気持ちが伝わります。
みんなで入るお風呂に、おばけもやってきて、「いっしょにいれて」だって。どうする?
日常生活で入浴は大きな役割を持っています。
お風呂は親と子のコミュニケーションの場でもあり、楽しい思い出ができる場でもあります。
そんなお風呂をテーマにしたユニークなお話を、子どもと共に楽しむ絵本です。
おじいちゃんが誕生日に贈ってくれた恐竜のパジャマを着て公園に行くと、いつのまにか僕のまわりには本物の恐竜が集まってきて、「遊びにきてよ」だって…。
たった一人で入り込んだ恐竜の世界で、主人公はさまざまな出来事を経験します。
子どもが大好きな恐竜をテーマにしたストーリーです。
最初は一人ぼっちでも、恐竜たちと過ごすうちに、勇気や思いやりを学んでいける絵本です。
お母さんの誕生日プレゼントに、野原へ花を摘みに出かけた主人公のさっちゃん。
野原で出会ったいろいろな動物たちがさっちゃんの家に集まってきて…。
お母さんを祝うため内緒で花を摘みに出かけたり、お母さんのいないオオカミにちょっとだけ「お母さん」を貸してあげたりと、主人公・さっちゃんの優しさや思いやりが伝わってくるストーリーです。
絵本は子どもに渡すのではなく、寝る前のお楽しみとして、親が毎日読んであげるのが一番です。
字が読めない子どもはすべての言葉の意味を、耳から聞くことで得ています。
大好きな人の声で、耳から聞いて蓄えられた多くの言葉が、その後の子どもの心を豊かに育みます。
時間を決めて、毎日のお楽しみとして読み聞かせをしましょう。
好きな本ができた子どもは、読んでほしい本を持ってきます。
それが毎日同じ本であっても構いません。
何度でも読んであげてください。
注意点は、読む親自身も楽しむこと。
楽しそうに読むことで、絵本の内容も愛情もよく伝わります。
忙しい毎日で親も疲れていますが、絵本タイムは「特別な時間」として、親も楽しめるよう工夫してみましょう。
3歳くらいの子どもにとって「自己肯定感が高い」状態とは、家族に愛されて、自分に自信を持てているということ。
そのような気持ちで、園生活や家庭生活を楽しめるようになることがとても大切です。
子どもの自己肯定感を高めるために、絵本の読み聞かせをはじめ、日常生活の中で親がしてあげられることはたくさんあります。
子どもと共に毎日を楽しみながら、自己肯定感を育んであげましょう。