2021.11.17
出産を控えた女性の身体はお腹の赤ちゃんの成長とともに変化し、痛みや違和感を感じやすくなります。
中でも妊娠中や産後、腰痛に悩まされる女性は少なくありません。
妊娠中は妊娠による体重増加やホルモンの影響で骨盤や筋肉が緩みやすく、きちんとケアしなければ出産後も歪んだまま体型が崩れてしまうことも。
そこでおすすめしたいのが、骨盤ベルト。
産前の腰痛の緩和や産後の緩みからの骨盤の回復をサポートしてくれます。
そこで今回は、つづきレディスクリニック院長の吉岡 範人先生監修のもと、妊娠中と産後に骨盤ベルトを使うメリットや選び方を解説した上で、妊娠中から産後まで長く使えるおすすめ商品を紹介します。
取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
産婦人科医
吉岡範人
医療法人社団都筑会 つづきレディスクリニック院長。1978年千葉県生まれ。聖マリアンナ医科大学産婦人科で研鑽を積み、カナダブリティッシュコロンビア大学へ留学をし、幅広い視野を獲得した。その後、聖マリアンナ医科大学へ帰院後、「つづきレディスクリニック」院長に就任。丁寧な問診を通して一人ひとりの生き方の違いや年齢、ライフスタイルなどに寄り添い、すべての女性がいつまでも若々しく・活き活きと暮らすお手伝いができるレディスクリニックをめざしている。
助産師
木野美穂
助産師18年目、鹿児島純心女子大学卒業後、助産師として大学病院産科病棟勤務した。また大学病院では、師長を経験し、助産分野のみならず、管理者としての経験も積んだ。現在は、大学病院での経験、二児の母であることを活かし、地域に密着した母子支援を行いたいと考え、出張助産師 木野美穂として開業している。また横浜市内の区役所で、両親学級、新生児訪問、赤ちゃん教室に従事している。
助産師
小野瀬綾
助産師7年目。岩手看護短期大学卒業後、大学病院の総合周産期母子医療センターで勤務し、現在は新たな資格取得に向けて勉強中である。
目次
出産が近づくにつれ、体重の増加やホルモンの分泌によって骨盤周辺が緩むなどして、腰痛が起こりやすくなります。
また、産後は出産時に骨盤が開くことで筋肉が引き伸ばされて腰回りに負担がかかりやすくなっています。
その上、回復がないまま赤ちゃんを抱っこすることで、腰痛がさらに悪化しかねません。
特に妊娠後期〜産後2ヶ月は骨盤全体が緩みやすい時期といわれています。
腰痛の原因を詳しく見ていきましょう。
妊娠初期には、妊娠を維持しようとする働きがある、女性ホルモンの一種「黄体ホルモン」が多量に分泌されます。
また、妊娠すると、「リラキシン」というホルモンも分泌されます。
リラキシンは妊娠初期から骨盤や全身のじん帯を緩ませ、赤ちゃんが出産時に骨盤を通って生まれてこられるように、骨盤を広げる作用があります。
これらのホルモンの影響で腰や背中の負担が増え、腰痛が起きてしまうのです。
お腹が大きくなってくると身体の重心が前に移り、上半身を反らした反り腰の姿勢で立ったり座ったりすることが増えてきます。
そのため背中から腰にかけての負担が増し、腰痛になることがあります。
妊娠後期に差し掛かると、大きくなった子宮がお腹や骨盤内の血管を圧迫するようになります。
そのため血行不良になりやすく、腰や足が冷えることで腰痛が起こりやすくなるのです。
出産には不安や変化がつきもの。
心理的なストレスで自律神経のバランスが乱れると、胃腸に悪影響を及ぼすことがあります。
胃腸の症状は胃の裏側にある背中の神経に伝わって痛みを引き起こし、酷いときには腰まで広がる可能性があります。
また、出産直後から始める育児は楽しいことも多いですが、抱っこやおむつ替え、授乳などで体中の筋肉が緊張しがちです。
育児や授乳に一生懸命になるあまり、こうした緊張に気づかず、知らずしらずのうちに、腰に負担がかかっていることもあります。
産後は、妊娠中の反り腰と反対に、赤ちゃんを抱く、おむつを替える、授乳をするといった育児行為により、前かがみの姿勢をとりやすく、腰に負担がかかる状態になっています。
妊娠中や産後の腰痛を解消するには、自宅で簡単にできるストレッチやマッサージをするほか、腰痛対策グッズを使うのがおすすめです。
その代表的なアイテムが骨盤ベルト。
骨盤の中央部分(仙骨)、骨盤前部の接合部分(恥骨結合)、前太ももの張っている部分(大転子)の3点をベルトで巻くことで、骨盤の緩みや開き、ズレを矯正し、緩みがちな骨盤をサポートしてくれる器具です。
妊娠中や産後に骨盤ベルトを付けることで、次のような効果が期待できます。
骨盤ベルトで腰や骨盤を支えることで、腰回りの筋肉への負荷が軽くなり、腰痛の予防改善効果が期待できます。
また、産後も装着することで、出産で開いた骨盤の戻りをサポートし、腰痛や股関節周りの痛みの予防にもつながります。
赤ちゃんを持ち上げたりあやしたりする際に起こりがちなぎっくり腰などの予防にも効果的です。
妊娠すると「リラキシン」というホルモンの働きで骨盤周りの筋肉やじん帯が緩むと同時に、子宮が大きくなることで骨盤に重みがかかり、足の付根(恥骨)にまで違和感や痛みを覚える女性は少なくありません。
骨盤ベルトはこうした妊娠後期に感じやすい恥骨痛の予防やサポートにも役立つとされています。
出産時に大きく開いた骨盤の関節やじん帯は、半年ほどかけて徐々に戻ろうとします。
しかし、一度大きく開いた骨盤が自然と元の位置に戻るのは難しく、放置しておくと歪みやズレが残ったままで、下半身太りや体型が崩れる原因になってしまいます。
産後に骨盤ベルトを付けることにより、骨盤が元の位置に整うことが期待できます。
腰痛が改善すると、育児中の姿勢もよくなります。
育児姿勢がよいと背中の痛みや肩こりの改善にもつながります。
また、赤ちゃんを抱く姿勢も変化し、赤ちゃんにもより心地よい抱っこになるかもしれませんね。
妊娠、産後を通して骨盤ベルトと併用し、自宅でヨガやストレッチなど自分が心地よいと思える運動を取り入れていくこともおすすめです。
骨盤ベルトは巻き方がポイント。
位置を外してしまうと効果が実感しにくくなります。
背骨の根っこにある「仙骨」とアンダーヘアの中心辺りにある硬い骨「恥骨結合」、そこから外側にある出っ張った太ももの骨「大転子」の3点を結ぶラインに巻きましょう。
妊娠中の方はお腹の膨らみを避けて巻き、キツく締めすぎないように注意しましょう。
使用中にズレてきたら、正しい位置に巻き直すのも大切です。
骨盤ベルトは妊娠初期から産後2、3ヶ月程度まで付けるのが理想的とされています。
ただ、妊娠中に腰の負担を感じ始めてから使い始めてもよいでしょう。
使う際は念のため、かかりつけ医の判断を仰ぐのがベスト。
細かい使用方法や注意点は商品によって異なるため、必ず説明書に目を通しましょう。
骨盤ベルトには産前用、産後用、そして産前産後双方に使えるものが販売されています。
産後まで長く使うことを考えれば、産前から産後まで使えるタイプを選ぶのがよいでしょう。
妊娠中や産後はホルモンバランスが不安定で、敏感肌になりがちです。
そのため肌に優しく、付け心地のよい素材を選ぶとよいでしょう。
例えば、通気性に優れたメッシュ地や吸水速乾素材を採用したベルトなら、長時間付けてもムレやベタつきを感じにくく、夏場の着用も快適。
綿やガーゼを使用したものは化学繊維が苦手な方も安心して使えます。
また、ストレスなく使いたい方は薄手のものを選ぶと洋服などにも響きません。
妊娠中から産後にかけては体重の変化が大きく、着用を始める時期によってサイズの選び方も異なります。
各商品サイトにあるサイズの選び方や調整範囲をチェックしてから購入しましょう。
また、サイズ調整が柔軟にできるものを選んでおくのもよいでしょう。
妊娠中~産後に骨盤ベルトを使用していた先輩ママに、その感想を教えてもらいました。
33歳・女性
妊娠の度に腰痛に悩まされるので、その緩和と、産後に骨盤をきちんとした位置に戻したいと思い購入しました。腰痛が和らいだのはもちろん、産後は骨盤がしっかり支えられている感じがあります。
35歳・女性
妊娠中期ごろ、お腹が大きくなり腰への負担を軽減する目的で購入しました。中期から出産までの間使用していましたが、お腹の張りを感じにくくなりました。
35歳・女性
出産で骨盤が広がったためか、立ったり歩いたりする時に股関節がグラグラするような不安定感があり、サポートの目的で購入しました。第一子の時は産後半年ほど、第二子の時は1ヶ月くらい使用していました。立ち上がる時や歩くときは楽になりましたが、痒みやベルトの食い込みが気になることもありました。
【調査概要】調査方法:インターネット調査、調査期間:2023年2月1日~2日、回答者数:111人(女性)、アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社
※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。edimo編集部が独自に行っています。
※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。
※商品によってはユーザーのレコメンドが記載されています。これらは個人の感想であり、効果効能を示すものではありません。
ストレッチ素材と滑りにくいテープ、ヒップを挟み込むようなY字構造で、身体にフィットし、ズレにくいアイテムです。
ヒップにベルトを引っ掛けて装着するだけで、仙腸関節、大転子、恥骨結合の3つの部位を環状にサポートしてくれます。
通気性のよいウレタン素材を採用しムレにくいのも魅力。
凹凸の少ない縫製と樹脂製のボーン(補強用芯材)とバックルにより、肌当たりが優しくソフトな付け心地となっています。
おすすめポイント
・ストレッチ素材と滑りにくいテープ、ヒップを挟み込むようなY字構造で、身体にフィットしズレにくい
・凹凸の少ない縫製と樹脂製のボーンなどを採用し、肌当たりが優しくソフトな付け心地
メーカー名 | ワコール |
ブランド名 | ワコールマタニティ |
商品名 | ズレにくい産前&産後骨盤ベルト |
素材 | ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン |
サイズ展開 | S~LL |
カラー | ベージュ、ブラック、ピンク、ターコイズ |
洗濯 | ○ |
6本の強力ボーンと最大17cmの幅広設計で、腰全体を覆うようにサポートできます。
サイドは通気性のよいメッシュ地でムレにくく、腹部は裏起毛素材を使った保温設計。
着用時の汗やムレを抑えつつ、お腹を優しくカバーしたい方に最適です。
ダブルベルトをマジックテープで止める作りのため、サイズの調節や着脱が簡単。
商品に付属している洗濯ネットに入れて丸洗いできますよ。
おすすめポイント
・サイドは通気性のよいメッシュ生地でムレにくく、腹部は裏起毛素材で温かい
・ダブルベルトをマジックテープで止める仕様で、サイズの調節や着脱が簡単
メーカー名 | YMGS |
ブランド名 | |
商品名 | 骨盤ベルト |
素材 | ポリエステル、ポリウレタン |
サイズ展開 | フリー |
カラー | ベージュ、ブラック、ピンク |
洗濯 | ○ |
犬印本舗の特許技術「クロス構造」をベルト背面に採用し、重なり部分がもたつきにくく、両サイドのマジックテープでサイズ調節も簡単にできます。
装着の手軽さを求めている方におすすめです。
ベルト前面に「カーブ設計」を用いることで、動いたり座ったりしてもベルトが足の付け根に食い込みにくいのがポイント。
妊婦帯や腹巻きの上からでも使えます。
おすすめポイント
・犬印本舗の特許技術「クロス構造」をベルト背面に採用し、重なり部分がもたつきにくく、サイズ調節も簡単
・ベルト前面に「カーブ設計」を用い、ベルトが足の付け根に食い込みにくい
メーカー名 | 犬印本舗 |
ブランド名 | |
商品名 | なが〜く使えるマタニティベルト |
素材 | ナイロン、ポリウレタン、その他 |
サイズ展開 | M~LL |
カラー | ブラック、ピンク |
洗濯 | ○ |
ヒップにベルトを当てて引っ張りながら前で止めるだけなので、初めての方でも使いやすいアイテムです。
本体ベルトを留めた後に外側のベルトで締め具合を調節できるダブルベルト構造のため、しっかりと骨盤をサポートできます。
ヒップにフィットする立体設計で、動いてもズレにくいのも魅力。
ヒップ部はメッシュ素材でムレにくく、長時間でも快適に着用できます。
おすすめポイント
・本体ベルトを留めた後に外側のベルトで締め具合を調節できるダブルベルト構造
・ヒップにしっかりフィットする立体設計で、動いてもズレにくい
メーカー名 | ピジョン |
ブランド名 | |
商品名 | 妊娠中から使える骨盤ベルト |
素材 | ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル |
サイズ展開 | M~LL |
カラー | ブラック |
洗濯 | ○ |
骨盤を前から後ろへと支え、仙腸関節の緩みを寄せてくれるアイテムです。
腰痛緩和や骨盤を安定させる効果があると医学的にも検証されています。
腰の痛みや産後の大尻が気になる方におすすめです。
骨盤全体が開く妊娠後期からは、別売りの「アンダーベルトRENEW」を併用することで、さらに安定感をアップできます。
妊娠中から産後にかけての期間だけでなく、生理中など腰に負担を感じる際にも活用できます。
おすすめポイント
・腰痛緩和や骨盤を安定させる効果があると医学的にも検証されている
・骨盤全体が開く妊娠後期からは別売りのアンダーベルトRENEWを併用して安定感アップ
メーカー名 | 青葉 |
ブランド名 | トコちゃんベルト |
商品名 | トコちゃんベルトⅡ |
素材 | ナイロン、発泡ウレタン、綿、ポリウレタン |
サイズ展開 | S~LL |
カラー | 白、紺 |
洗濯 | ○ |
助産師が監修し、滑車の原理を用いてわずかな力でもしっかりとベルトを締められるのが特長。
寝転がったり立ち膝になったりする必要がなく、立ったまま装着できます。
切迫早産と診断された方も立位時は使えます。
通気性に優れたメッシュ地を採用し、ムレにくく快適な付け心地。
ベルト内側は凹凸加工されているため、立ったり座ったりした時もズレにくいです。
おすすめポイント
・滑車の原理を用いてわずかな力でもしっかりとベルトを締められる
・ベルト内側に凹凸加工を施し、立ったり座ったりした時もズレにくい
メーカー名 | コナミスポーツ |
ブランド名 | コナミスポーツクラブ |
商品名 | 産前産後骨盤ベルト for マタニティ&ママ パワフルギア®F |
素材 | ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアセタール |
サイズ展開 | フリー |
カラー | ブラック |
洗濯 | ○ |
商品名 | ズレにくい産前&産後骨盤ベルト | 骨盤ベルト | なが〜く使えるマタニティベルト | 妊娠中から使える骨盤ベルト | トコちゃんベルトⅡ | 産前産後骨盤ベルト for マタニティ&ママ パワフルギア®F |
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メーカー名 | ワコール | YMGS | 犬印本舗 | ピジョン | 青葉 | コナミスポーツクラブ |
ブランド名 | ワコールマタニティ | |||||
素材 | ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン | ポリエステル、ポリウレタン | ナイロン、ポリウレタン、その他 | ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル | ナイロン、発泡ウレタン、綿、ポリウレタン | ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアセタール |
サイズ展開 | S~LL | フリー | M~LL | M~LL | S~LL | フリー |
カラー | ベージュ、ブラック、ピンク、ターコイズ | ベージュ、ブラック、ピンク | ブラック、ピンク | ブラック | 白、紺 | ブラック |
洗濯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
商品詳細 | ||||||
妊娠中や産後の腰痛は多くの妊婦さんが感じやすいマイナートラブルの一つ。
何もせずに我慢していると、別な下半身の不調や体型崩れなど後々に影響が出てしまうこともあります。
腰に違和があったらかかりつけ医に相談し、骨盤ベルトの使用を検討してみてくださいね。
<掲載商品はedimo編集部が実際に連絡を行い、コンタクトが取れたメーカーのものだけに限定しています。※一部国内プレスリリースでの確認>