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愛犬の加齢に伴う不調はどうしても避けられません。
でも、大切な愛犬だからこそ、いつまでも元気に走り回っていてほしいですよね。
そこで、今回は動物の専門家である「ガイア動物病院」の松田唯院長に、愛犬の足腰の老化対策や、足腰が弱ってからでもできるケア方法などについてお聞きしました。
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取材・監修協力※商品紹介部分は取材・監修範囲外です
獣医師
松田 唯
ガイア動物病院 院長。埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設。治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主が選択できる治療が好評。
ガイア動物病院
東京都杉並区下井草1-23-2
https://www.gaia-ah.com/
目次
足腰の筋肉は、老化によって自然に衰えてきます。
これはどの犬にも訪れる変化です。
筋肉の衰えにより関節・靱帯への負担が増えるため、関節炎や靭帯の断裂といった病気を発症する(病的老化)こともあります。
年を取ってからかかる病気は完治が難しいものも多いため、このような「病的な老化」とはできれば関わりたくないのが正直なところです。
病的な老化は、日頃のケアや予防をすることである程度予防が期待できます。
どのような部位にリスクが高いのか、代表的な病気とともにご紹介します。
椎間板とは、背骨と背骨の間にあるクッションのような役割をする部位。
何らかの衝撃(階段の上り下り、全力で走る、滑りやすい床の上で生活しているなど)によって飛び出すと、すぐ近くにある神経を圧迫し、痛みを生じます。
椎間板は年齢とともに弱くなる傾向にありますが、ダックスフンドやプードルといった犬種では、若齢時から弱くなることがあるので注意が必要です。
変形性関節症とは、さまざまな理由によって関節に長い間負荷がかかることで、関節の軟骨が変化してしまう病気を指します。
原因としては生まれつき腰や膝の関節に何らかの病気がある、若い時の怪我、肥満などが考えられますが、原因不明の場合もあります。
関節に痛みを生じるため、歩くこと自体や、階段の上り下りを嫌がる症状が多く見られます。
この他に、関節が腫れる、触ると怒る、抱っこすると鳴くといった症状も見られることがあります。
前十字靭帯は膝関節の中にある靭帯です。
高齢になると衰えてくるだけでなく、ホルモンの病気、肥満などさまざまな理由で非常に脆い状態になってきます。
そのような状態で遊んでいると、転んだり、急に走り出したりした時に負荷がかかり、靭帯が切れてしまうことがあります。
靭帯が切れてしまったときには、関節が腫れてくる、突然足を着地しなくなるという症状が出ることがあります。
犬種や大きさにもよりますが、犬の場合は大体7〜8歳を過ぎると高齢期であるといわれます。
ただ、老化対策に早すぎるということはありません。
老化は気付かないうちに徐々に進行していき、ある時点で突然骨折や靭帯の断裂などの症状が出ることがあります。
大事なのは、症状が出る前の「徐々に進行している段階」で気付いてあげることです。
そこで、足腰の老化に関して早めに気付くためには以下のことをしておくといいでしょう。
関節の老化の場合、筋肉の衰えが顕著に出ることがあります。
普段から体を触っておき、筋肉が衰える前の状態を知っておくことで、早めに気づくことができるかもしれません。
犬や猫は人間の4倍の速度で年を取ります。
そのため、半年に1回は健康診断を受け、定期的に獣医さんに触って確認してもらうのが良いでしょう。
居住空間をバリアフリー化するなど生活環境を整えてあげるほか、歩行の負担を軽減できるようにサポートしてあげることが重要です。
さまざまなサポートグッズがあるので、状態に合わせて選びましょう。
首輪と違い、面で体を支えることができるので、お散歩が楽になる効果が期待できます。
後肢用、前肢後肢両用バージョンもあります。
大型犬におすすめです。
犬の爪に装着するゴム状の補助器具です。
滑りやすい床の上でもしっかり力を入れて立つことができます。
動物病院専用販売品。
人間と同じように足に履かせるだけでOKと楽に使えるものの、邪魔と感じて脱いだり、自然に脱げてしまうこともあるので注意が必要です。
安価で手に入れやすいので導入のハードルは低いですね。
椎間板ヘルニアなどで足が麻痺してしまった場合に使います。
サイズや販売元にもよりますが、合わせ方に少々苦労する場合があります。
※監修者は以下で紹介する商品について、選定や紹介文の監修は行っておりません。
※紹介商品は、上記記事内で記載した効果・効能を保証するものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている説明文をご確認ください。
商品名 | 画像 | 詳細を見る | タイプ | サイズ |
コンビコムペット|ホロノアサポーター | ハーネス | S,M | ||
ペティオzuttone|歩行補助ハーネス 前足用 | ハーネス | S,M,L,2L,3L | ||
コンビコムペット|ホロノア ワンソク | 靴下 | S,M,L,LL | ||
ワイドシステム暮らしの幸便|ペット用滑り止めフットパットPAW WING | フットパッド | S,M,L,XL | ||
クリエイティブヨーコペットパラダイス|スヌーピー フィットシューズ フェイス | 靴下 | SS,3S,S,SM | ||
ペティオzuttone|老犬介護用 補助機能付ベスト | ベスト | L,2L,3L |
ハーネス感覚でお散歩の時に使えるサポーター。
ヒップアップ構造で、立ち上がるのを助けると同時に、体のねじれを抑えて歩行をサポートします。
排泄をじゃましないデザインなので、着たままトイレもOK。
柔らかな素材なので着たままで寝転がったり、抱っこもできるのがうれしいですね。
ミニチュアダックスフンドなどの胴長犬種におすすめです。
タイプ | ハーネス |
カラー | チェック、デニム、ブラック |
サイズ | S,M |
推奨犬種 | ミニチュアダックスフンド、カニンヘンダックスフンド、コーギー |
前足の筋力や視力が低下した時の歩行補助に使えるハーネスタイプのサポーター。
2本の調節ベルトでしっかりフィット。
持ち手にはクッションカバーがついているので手に優しく持ちやすくなっています。
5サイズあるのでチワワなどの小型犬からラブラドールなどの大型犬まで使用可能。
後足用のものもあります。
通気性のいいメッシュ素材。
手洗いOK。
タイプ | ハーネス |
カラー | |
サイズ | S,M,L,2L,3L |
推奨犬種 | 体重30kgまで使用可 |
面ファスナーで調整しながら手軽に装着できる、足に巻きつけるタイプのサポーター。
靴下や筒状のサポーターが苦手なワンちゃんでも着用しやすい構造です。
すべりやすい地面でも蹴り上げられるよう、足底には滑り止めゴム付き。
靴紐プリントデザインなので、装着すると靴を履いているように見えてかわいいですね。
サイズはS、M、L、LLの4種類展開で、小型犬から大型犬まで使えます。
タイプ | 靴下 |
カラー | レッド、ブルー |
サイズ | S,M,L,LL |
推奨犬種 | 小型犬から超大型犬まで使用可 |
フローリングで踏ん張りが効かず、どうしても滑ってしまうワンちゃんにおすすめのパッド。
シールタイプなので、足裏にペタッと貼るだけで使えます。
ストレッチ性が高く、肉球をきれいに覆うことができるのもポイントです。
刺激の少ないスキンフレンドリー接着剤を使用し、肌への負担を軽減。
シリコン製のすべり止め付き。
ブラック、ピンク、ブルーの3色展開。
48枚入り(4枚×12セット)。
タイプ | フットパッド |
カラー | ブラック、ピンク、ブルー |
サイズ | S,M,L,XL |
推奨犬種 | 超小型犬~大型犬まで使用可 |
オールシーズン使える靴下タイプのサポーター。
内側にズレ防止のすべり止めが付いているので、フローリングの部屋の中でもお散歩の時でも安心して使えます。
調整ベルトが付いているので、ワンちゃんの足の細さに合わせて調節可能。
スヌーピー柄がかわいいですね。
サイズは3S,SS, S,SMの4種類展開。
3Sはチワワ、SMは柴犬やビーグルにおすすめです。
© 2019 Peanuts Worldwide LLC
タイプ | 靴下 |
カラー | 黒 |
サイズ | 3S,SS,S,SM |
推奨犬種 | 3S:チワワ、ヨーキー/SS:トイプードル、パピヨン/S:シーズー/SM:柴犬、ビーグル |
体力・筋力が低下した犬の室内での動作補助に使えるベスト。
背中にファスナーがあり着脱しやすく、サイズは2段階に調節可能です。
起き上がりやおすわり、室内での歩行を補助する便利な3つの補助ベルト付き。
通気性メッシュ素材で、抗菌消臭効果が期待できるうえ、手洗いできるので、清潔に保てるのもうれしいですね。
タイプ | ベスト |
カラー | |
サイズ | L,2L,3L |
推奨犬種 | L:柴犬、コーギー、シェルティ、ビーグルなど、2L:ボーダーコリーなど、3L:ラブラドール、ゴールデンなど |
ケアの方法は、どの部位がどのように弱ってきたかによって大きく変わってきます。
痛みで立てない・座れないなど、生活の質が落ちると考えられる場合、消炎鎮痛剤などの薬を用いる必要があります。
さらに重度の場合、手術が必要になることもあります。
手術や投薬は、体への負担を考慮する必要があるため、年齢や飼い主の治療への考え方なども含めて決めていくことになります。
軽度の場合、サプリメントやリハビリの対応で十分なこともあります。
リハビリは慢性的な痛みの改善、歩行機能の改善、手術後の回復補助、認知症の予防など、非常に広い範囲に有効です。
最近ではリハビリセミナーやシニアセミナーなどのイベントを行っている動物病院も増えているので、利用してもいいかもしれませんね。
動物の動きや状態に合わせて生活環境を整えてあげることが重要です。
ここでは、飼い主ができることの例をいくつか挙げてみましょう。
人間にとっては大したことのない段差でも、動物にとっては大きな障害となることがあります。トイレは段差のないものを準備する、スロープを設置するなどの工夫をしてあげるといいでしょう。
若い時は地面にご飯皿を置いておけばよかったかもしれませんが、老齢になると首を曲げる動作がつらくなる犬もいます。地面よりも少し高い位置に置いてあげるだけで食べやすくなります。
足腰が弱ってきている場合、フローリングはとても歩きにくいうえ、ケガをしやすいのでおすすめできません。
じゅうたんを敷く、パネルを敷き詰めるといった変更が必要です。
日中生活するスペースと、トイレやご飯の場所との間の障害物はできるだけ少なくしてあげるといいでしょう。ただ、認知症の予防や手術後のリハビリでは、あえて障害物を利用することもあるので、気になる方は獣医師に相談するといいですね。
足腰が弱ってきた年齢では、犬も認知症が始まっていたり、視覚や聴覚が衰え始めている可能性があります。
もし視覚が衰えている場合でも、見えていた頃の記憶である程度動くことができるので、家具の位置を大きく変更しない方がいいでしょう。
トイレまでの距離が遠い場合、間に合わずに漏らしてしまうことがあります。
普段生活するスペースの近くに必要なものをまとめてあげることで、お漏らしなどのトラブルを防ぐことができます。
痛みが少ない犬の場合、筋力を維持するために運動は必要です。
ただ、途中で歩けなくなったら抱っこで帰る心づもりでおくといいでしょう。
自宅でもできるリハビリとして、引綱歩行、円周歩行、ジグザグ歩行、バランス運動といったものがあります。
専門家に相談してやり方を教えてもらって、実践してみることをおすすめします。
一言で老化といっても、ワンちゃんによって程度はさまざまです。
衰えてしまったものを回復させるのはなかなか難しいことが多いですが、歩きたい、トイレに行きたいといった行動がストレスにならないよう、何をサポートすればいいのか考えると良いかもしれません。
ワンちゃん、猫ちゃんが何を望んでいるのか考えるきっかけになると嬉しいです。